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大吉、7才になる「穴澤賢の犬のはなし」

大吉、7才になる

2018年8月17日で大吉が7才になった。うちに来たのは2011年11月だから正確には3カ月ほど足りないが、7年一緒にいることになる。そして大吉が来てまもなくこの連載がはじまったはずなので、7年も続いていることに驚く。
富士丸がいなくなってから一時期重度のペットロスとなり、そこから約2年後、再び犬と暮らすかどうか吐きそうになるほど悩んだのが遠い昔のことのようだ。今は自然に「犬がいる生活リズム」になっている。毎日、朝と夕方は必ず散歩に行くし、都内で用事があったりする日は、夕方の散歩に間に合うよう寄り道は一切せず一目散に帰る。
思えば、大吉を迎えてから色々あった。犬のことを考えると、広い河原があったほうがいいかと思い、長く暮らしていた渋谷区初台から荒川近くの足立区扇大橋に引っ越した。が、大吉は河原は別にどうでもよかったらしい。結局2年も経たずに、今度は鎌倉市腰越の海のそばへ引っ越した。
海は喜ぶかと思いきや、これまたどうでもよかったらしく、砂浜は用を足す場所くらいにしか認識していないっぽい。夏の夜は若者が砂浜で花火したりするので、花火嫌いの大吉は、その度に怖がっている。さらに江ノ島の花火大会の日は、腹に響く「ドーン」という音がしばらく続くので、その間ずっとブルブル震えている(そのため私も家にいるから一度もまともに花火大会を見ていない)。
「せっかく海の近くに引っ越して来たのに」と思うが、大吉に頼まれたわけでもないので、彼には彼の言い分があるのだろう。その点、昨年なんとか手に入れた山の家は大好きらしい。気候がいいのか、静けさがいいのかわからないが、行くとずっと嬉しそうな顔をしている。山では動きも2才ほど若返る気がする。

ざっと振り返っただけでも、大吉が来てから活発に動いていることに驚く。すべて大吉のことを考えてのことではなく、もちろん個人的な理由もある。ただ、犬と暮らしていなければ、こうはなっていないだろう。そういう意味で、自分にとって大吉の存在はかなり大きいと思う。
それにしても犬には個性があって、好みや性格が様々だ。大吉は、花火と雷とバイクの音が大嫌いで、食に執着心がなくて好き嫌いも多く、朝は苦手で、そのくせ夜は早い。ようするに自己主張が激しい。この連載をはじめた当時、大吉のことをまだわんこだと書いていたが、今では私の中ですっかり「人」になっている。

福助が来てから、すっかり兄っぽくなったが個性はそのままだ。そんな大吉も、もう7才か。いつの間にか、あの人と同い年になったのか。



プロフィール
穴澤 賢(あなざわ まさる)
1971年大阪生まれ。株式会社デロリアンズ代表。2005年、愛犬との日常をつづったブログ「富士丸な日々」が話題となり、その後エッセイやコラムを執筆するようになる。著書に『ひとりと一匹』(小学館文庫)、自ら選曲したコンピレーションアルバムとエッセイをまとめたCDブック『Another Side Of Music』(ワーナーミュージック・ジャパン)、愛犬の死から一年後の心境を語った『またね、富士丸。』(世界文化社)、本連載をまとめた『また、犬と暮らして』(世界文化社)などがある。
ブログ「Another Days」


大吉(2011年8月17日生まれ・オス)
茨城県で放し飼いの白い犬(父)とある家庭の茶色い犬(母)の間に生まれる。飼い主募集サイトを経て穴澤家へ。敬語を話す小学生のように妙に大人びた性格。雪と花火と暴走族が苦手。せっかく海の近くに引っ越したのに、海も砂浜もそんなに好きではないもよう。

福助(2014年1月11日生まれ・オス)
千葉県の施設から保護団体を経て穴澤家へ。捕獲されたときのトラウマから当初は人間を怖がり逃げまどっていたが、約2カ月ほどでただの破壊王へ。ついでにデブになる。運動神経はかなりいいので、家では「動けるデブ」と呼ばれている。
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