愛犬のしぐさや行動を見て「何を伝えたいんだろう?」と疑問に思った経験はありませんか?
この記事では、犬たちが見せるさまざまなしぐさ・行動に込められた“犬の気持ち”について、獣医師の藤本聖香先生にお話を伺いました。
犬がポジティブな感情のときに見せるしぐさ
まずは、「楽しい」「大好き」などの感情のときに見られるしぐさを3つご紹介します。
1.目を輝かせて口元をゆるめる→「楽しいな」「大好きだよ」
飼い主さんといるときや、遊んでいるときなどによく見られるしぐさです。このしぐさをするときの犬は、幸せな気持ちになっていることが多いでしょう。しっぽや耳の状態は状況によって異なりますが、体や顔に緊張感はなく、舌を出している場合も。
2.目を細めて耳を寝かせる→「安心だな」「うれしい」
頭をなでられているときや、好きな人に会ったときなどに犬がよく見せるしぐさです。このときの犬は、「安心するな」「うれしいな」と感じていることでしょう。耳と耳の間が広がって見えること、また、全身に緊張感がないことが特徴です。
3.しっぽとお尻を上げて頭を下げる→「遊ぼうよ!」「楽しいな」
犬がおじぎをしているかのようにも見えるこのしぐさは、「一緒に遊ぼうよ!」と相手を誘うときのボディランゲージで、「プレイ・バウ」とも呼ばれています。このときの犬は、体を前のめりにしてしっぽを上げ、目を輝かせていています。
犬がネガティブな感情のときに見せるしぐさ
次に、「緊張感」や「不安」「怒り」など、ネガティブな感情のときに犬が見せるしぐさを3つ解説します。
4.横目で見る→「緊張するな」「怖いよ~」「誰だろう?」
白目を出して横目で相手や物を見るこのしぐさは、犬の緊張感をあらわしています。緊張によって口元や体はややかたくなり、耳は後ろを向いています。
5.家具や床を何度もなめる→「不安」「暇だな」「胃がムカムカするよ」
犬が家具や床を何度もなめるしぐさは、ストレスや不安感を解消したいときや、暇つぶしをしたいときに見られることがあります。また、胃がムカムカしていたり、空腹感を覚えていたりするときにも見られるしぐさです。
6.前歯から犬歯を見せる→「怒るぞ」「やめてよ!」「触らないで」
上唇を上げて歯を見せるしぐさは、犬の「怒るぞ!」というパフォーマンスです。また、苦手なお手入れから逃れたいときや、先輩犬が後輩犬を注意するときに見られることもあります。
犬たちが見せるしぐさには、さまざまなメッセージが込められています。愛犬のしぐさや行動に込められた気持ちを理解し、お世話や関係性の向上に役立てましょう。
お話を伺った先生/藤本聖香先生(獣医師 英国APDT認定ペットドッグトレーナー)
参考/「いぬのきもち」2020年6月号『360度いぬのこと大調査!第3章 きもちがわかる!早見表にしました!いぬのしぐさ35』
文/藤真もとみ
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
※ここで挙げているのは、犬のしぐさと気持ちの一部です。そのため、犬の性格やそのときの状況などによってはここで紹介しているものとは違う感情をいだくこともあります。