先代犬の「富士丸」と犬との暮らしと別れを経験したライターの穴澤賢が、
数年を経て現在は「大吉」と「福助」(どちらもミックス)との暮らしで
感じた何気ないことを語ります。
連日のうだるような暑さで、人間も辛いけど、犬の不満も相当たまっているのではないかと思う。毎朝5時、もしかしたら4時台に叩き起こされ、日中はエアコンのきいた部屋で昼寝するしかなく、夜の散歩はいつもの時間になってもなかなか連れて行ってくれない。休日になったらイレギュラーなお出かけに行けると期待しても、どこへも連れて行ってくれない。毎日がつまらなすぎる。
発見! 八ヶ岳周辺の犬連れおすすめスポット
犬は外のしゃく熱地獄を知らないので、きっとこう思っているのではないだろうか。そんな不満顔されても困る、と感じている方は『
八ヶ岳に来てみるといいよ』とこの前書いたが、実はさらにオススメしたくなるスポットがあった。
それは女神湖。正確には女神湖のすぐ近くにある「蓼科御泉水自然園」だ。そこへ行くにはゴンドラ(車でも行けるが料金は同じくらい)に乗る必要があるが、犬友に聞くとなんと犬OKだった。それまで何度も前は通ったことがあったけど、どうせ犬は乗れないのだろうと思っていたからスルーしていたのだ。そこでさっそく乗ってみることに。
ちょっと肌寒いけど快適な空間
ゴンドラで上に登っていくにつれ、空気が冷たくなっていくのが分かった。そして、降りたところは標高1830メートル。この前紹介した「天空カート」は1400メートルだったが、もう全然違う。この日は雲が多かったせいか、涼しいというより、ちょっと肌寒いほど。400メートルでこれほど違うのかと驚いた。
登山で標高1800メートルは別に珍しくもなんともないが、車とゴンドラでその標高へ行けるなんてなかなかないのではないだろうか。景色も素晴らしいし、大福もごきげんだった。
そして、蓼科御泉水自然園を散策してみたが、全体的に木陰になっていて空気が冷たく、汗もかかないほど快適だった。この日は、そんなにゆっくり見て回らなかったが、蓼科御泉水自然園は結構広いので、じっくり散策してみるのもいいと思う(このときのもようは
インスタにもあげているので参考に見てみてね)。
さらに頂上付近の女神湖のテラスにあるカフェにはテラス席があり、犬OK。女神湖湖畔にあるレストランも犬OKだし、車で15分ほど行けばソフトクリームで有名な長門牧場もあるから、1日楽しめると思う。
暑くてどこへも行けないのは、犬にしてみればそんなこと知らないし悪くもないから、たまにはこういう涼しいところに連れて行ってあげて不満を解消してあげるのがいいと思う。犬たちが大喜びではしゃいで、夜遊び疲れてぐっすり眠っている姿を見ると、こちらまでうれしくなるしね。
プロフィール
穴澤 賢(あなざわ まさる)
1971年大阪生まれ。2005年、愛犬との日常をつづったブログ「富士丸な日々」が話題となり、その後エッセイやコラムを執筆するようになる。著書に『ひとりと一匹』(小学館文庫)、自ら選曲したコンピレーションアルバムとエッセイをまとめたCDブック『Another Side Of Music』(ワーナーミュージック・ジャパン)、愛犬の死から一年後の心境を語った『またね、富士丸。』(世界文化社)、本連載をまとめた『また、犬と暮らして』(世界文化社)などがある。2015年、長年犬と暮らした経験から
「DeLoreans」というブランドを立ち上げる。
ブログ「Another Days」
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大吉(2011年8月17日生まれ・オス)
茨城県で放し飼いの白い犬(父)とある家庭の茶色い犬(母)の間に生まれる。飼い主募集サイトを経て穴澤家へ。敬語を話す小学生のように妙に大人びた性格。雷と花火と暴走族が苦手。せっかく海の近くに引っ越したのに、海も砂浜もそんなに好きではないもよう。
福助(2014年1月11日生まれ・オス)
千葉県の施設から保護団体を経て穴澤家へ。捕獲されたときのトラウマから当初は人間を怖がり逃げまどっていたが、約2カ月ほどでただの破壊王へ。ついでにデブになる。運動神経はかなりいいので、家では「動けるデブ」と呼ばれている。