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多頭飼育崩壊からレスキューされた保護犬 過酷な環境を生き抜き、新しい家族と歩む幸せな今

今の姿からは想像できませんが、岳くんは元保護犬で過酷な環境で暮らしていた過去があるのだそう。岳くんとの出会いのエピソードなどについて、飼い主さんに話をうかがいました。
過酷な環境から救われた岳くん、飼い主さんとの出会い

そんななか、SNSで目にする迷子犬や保護犬のことが気になり、「定期的に地元で里親募集されている犬の情報などを見ていた」といいます。
「多頭飼育崩壊からレスキューされた犬たちが、静かに身を寄せ合っていました。広いスペースがあるのに、一カ所にぎゅうぎゅうに集まって逃げ込む姿が忘れられません。
見学するのも申し訳ない気持ちになりましたが、そのなかで比較的じっくり見ることができた2頭のうちの1頭が岳さんでした。背格好が先代犬に似ていたこともあって、自然と目にとまったんです」
トライアル10日目に突然の発作が

「初めてのことで本当に動揺しました。夜間救急の番号も知っていたはずなのに、先代犬が亡くなったときの記憶がよみがえり、気が動転してなかなか見つけられなくて。
ようやく病院に駆け込んで入院と投薬で落ち着きましたが、『後遺症が残るかもしれない』と言われて不安でいっぱいになりました」

「『もし発作に気づかず、近くに病院がなければ岳は命を落としていたかもしれない。そうならなくてよかった』と声をかけてもらって、気持ちが救われました。あの言葉があったから、岳さんを正式に迎えようと決められたんです」
家の隣までしか歩けなかった散歩が、やがて楽しい時間に

散歩も半年ほどは家の隣までが限界でしたが、ある日の夕方の散歩で嬉しい変化が——。
「いつものように家の隣までで終わるだろうと思っていたら、急に歩き出して先代犬のピー助さんと同じ散歩コースに自ら進んでいったんです。このときは本当に嬉しかったです」

おっとりした性格で、こんなエピソードもありました。
「同じ空間で私が食事をしていてもとくに欲しがることなく、気づくとぐっすり寝ています。私が絵を描いていても邪魔せず、作品や道具も破壊しないおりこうさんです。
散歩中に遭遇するコにワンワンされても吠え返すことなく、スルーしたりしています」
岳くんは「今の私に導いてくれた唯一無二の存在」

「岳さんは、今の私に導いてくれた唯一無二の存在です。これからもいろんなことをともに経験し、困難をともに乗り越えながら、穏やかな日々を過ごしていきたいです」
取材・文/雨宮カイ
※文中の表現は、飼い主さんご自身の表現に沿っています。
※この記事は投稿者さまに取材し、了承の上制作したものです。2025年9月時点の情報であり、現在と異なる場合があります。
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