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保護ではなくエゴ? 一方シロは。【連載】おばあちゃん犬がやってきた 第6回

シロは、うちに来ることを望んでいるの…?

さぁ、いよいよシロさんを迎える日がやってきました。

シロさんが15年間過ごした場所とお別れする機転となる日。
そんな待ち望んだ大切な日に限って、私の頭の中は度ネガティブなことでいっぱいでした。

もしかしたらここはシロにとっては居心地の良い場所だったのなら・・・

我が家に迎えることで返ってシロにとってストレスになったらどうしよう・・・

そんなどうしようもない不安を抱えながら、シロのところへ行き新しい首輪に付け替えようとシロを繋いでいた鎖に目をやると・・・
そう、首輪の金具と鎖の結束部分がサビてガチガチに固まっていたのです。
最後に外を歩いたのはいつなんだろう、何でもっと早く迎えに来なかったんだろう・・・複雑な感情でいっぱいになりました。
そんな私はシロにとって良い飼い主となれるのだろうか?そんな事を考えました。
人間の都合で繋がれて、今度は人間の都合で連れていかれて
結局言葉の話せない犬たちは人間に振り回されてばかりじゃないか。
私がやろうとしていることはレスキューでも、保護でもなく、エゴだと。
でもシロさんはというと・・・

人を信頼しているシロの最期を看取りたい

結局はいつも振り回されているこの子たちですが、それさえも受け入れてくれているんだと。シロの器の大きさを見せられた気がしました。

きっとこの子は私のことを信頼して身を任せているんだろう。
だったら私もその信頼に応えてあげたいと。
シロの無邪気な姿に、ゆっくりと背中を押されたような気がします。

この子の最期を見守るのはこの子が今まで信頼を向けてきた、私たち人間。

大きな決意を固め、シロに新しい首輪にを付けました。
こうして、その日からシロさんの新しい犬生がスタートしたのです。
シロさん、触るととっても暖かいです。そして、この温もりは永遠に続くものじゃない。

その貴重な体温に触れるたび、愛おしさでいっぱいなります。

私の手に、身体に身を任せてくれる。その暖かい身体に精一杯応えてあげようと。

いつも、そう思うのです。

道場人物・登場犬猫

作者「tamtam」プロフィール

動物病院で動物看護士として勤務後、現在は個人で犬猫を預かり里親を探す「一時預かりボランティア」を続けている。犬猫の保護や介護について、大変な現実だけでなく、楽しさ・幸せをSNSで発信し大きな話題に。
2022年「たまさんちのホゴイヌ」(世界文化社)、2023年「たまさんちのホゴネコ」(世界文化社)を出版。著者印税を動物福祉活動に充てている。

tamtam インスタグラム

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