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子犬はいつまで母犬と一緒にいるべき?|連載・西川文二の「犬ってホントは」vol.11
今回は、日本の「8週齢規制」の現状について。ヨーロッパでは理想的な8週齢規制が行われていますが、日本はちょっと違うんだそう。それはなぜか、先生がズバッと斬り込みます!(編集部)
これが、ヨーロッパの国々で取り入れられている、「本来の8週齢規制」の意味です。
一方、「日本の8週齢規制」は、「生後8週齢以前の売買を禁じる」というもの。なぜ日本では「本来の8週齢規制」が行えないのでしょうか。
いつ生まれたか、いつまで母犬といたか
これがもっとも好ましい子犬の入手方法といわれています。
例えばこの入手方法であれば、購入希望者は2回、子犬たちが母犬といるところをその目で確認できることになります。
飼育環境が適切なものかも確認できます。
また、ヨーロッパにおけるブリーディングは、その昔貴族の嗜みの一とされていた関係で、血統というものを重んじます。すなわちブリーダーの元で子犬を入手するということは、純血種の子犬を入手するということになり、生年月日も確かめられることとなります。
いつまで母犬といたかが確認できない日本
生後8週齢まで母犬といたかどうかを、購入希望者はその目で確認することはできません。
「生後8週齢以前の売買を禁じる」ことが、生後8週齢まで母犬といたことを担保するわけでもありません。
個人事業的に生業として繁殖を行う場合は、毎月のように子犬を産ませる必要があります。
お産の少し前からしばらくは万が一のことが起きないように、母子をリビングなどで手厚く面倒を見る必要もあります。ただし、離乳が始まるとまもなく、母犬はメス犬たちが普段飼育されている犬舎(あるいは別の部屋のケージ)に戻されてしまいます。
「離乳が始まるとまもなく母犬は犬舎に戻す」。おそらく、生後8週齢以前の売買を禁じられても、これまで行っていたこのスタイルは、変えないでしょう。なぜなら、そのこと自体は何ら規制されるわけではありませんし、そのやり方が経験上効率よく売上を上げる方法だからです。
とはいえ今回の法改正はさらなる大きな前進
日本では近年、チワワとプードルのミックスといったミックス犬が人気ですが、彼らには血統書が存在しません。
そうなのですね、ミックス犬においては、生まれた日は自己申告。それが正しいかどうかを確認するすべもないのです。
なんか、「日本の8週齢規制」に水をさすようなことをあげつらってきた印象を持つかもしれませんが、「生後8週齢以前の売買を禁じる」今回の法改正は、私としては大きな拍手をもって大歓迎しています。
苦節15年。現行の改正動物愛護法の元が生まれたのは2005年です。
当時は40日齢の離乳が終わっていない子犬たちが、なんのお咎めもなく売られていたのですからね。
写真/Can ! Do ! Pet dog School提供
西川文二氏 プロフィール
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