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犬は飼い主に忠実だと思う?飼い主さんによくある矛盾|連載・西川文二の「犬ってホントは」vol.27
今回は、多くの飼い主さんがしている思い込みについて。「犬は飼い主に忠実」とよくいわれますが、実際にそうだと感じていますか? もしそう思っているなら今回のコラムは必見! 西川先生が、そこに潜む矛盾を解き明かします(編集部)
犬との関係もそう。先入観や偏見を捨て、一方的な決めつけをしないことが、なにより大切です。
先入観や偏見は、過去に広まった犬に対する常識、思い込みに基づくものがほとんどです。過去の常識や「そう言われていること」は、一度疑ってみる。
「あぁ、事実と違う思い込みにとらわれている飼い主が、まだまだこんなにもいるんだ」……そう実感させられました今回は。
え? 「何に」かって?
それはですね、いぬのきもちアプリで行われた飼い主さんたちによるアンケートの結果にです。
調査結果「犬は飼い主に忠実だと思う」76%
この刷り込みは、柴犬だけではなかったのですね。
なんと、犬は飼い主に忠実だ、と76%が思っている。
忠実であれば、飼い主が噛まないことを望んでいれば、噛まないはずです。
飼い主が吠えないことを望んでいれば、吠えないことになります。
飼い主の言うことには、すぐに従うはずです。
引っ張らずにそばを歩くことを望めば、そうするはずです。
忠実であれば、家庭犬としての最低限のしつけの指標「JAHA家庭犬マナーチャレンジ」に記されている16項目も、76%の犬とその飼い主は簡単にクリアできるはずです。
もちろん事実は違います。
次の数字から、その事実は見て取れます。
「犬のしつけに自信がある人」は19%
飼い主が望むことに忠実であれば、しつけに自信がある人の比率は76%になるはずです。
でもアンケートでは、しつけに自信がある人の比率は19%。
81%の飼い主さんはしつけに自信がありません。
すなわち、忠実だという76%という数字が真実ではない。そう考えるのが自然ということです。
そうそう、しつけができていないことを、言うことを聞かないからとする飼い主も少なくありません。
「言うことを聞く・聞かない」は、そもそも、言葉がわかるのかというところに行き着きます。
人間の言葉の理解、これに対する間違った思い込みも、今回のアンケートの数字からは見て取れます。
「犬は人の会話がわかると思う」92%
それと照らし合わせて、犬の人間の言葉に対する理解能力は、かなりのトレーニングを積んだとしても人間でいう2歳程度だと考えられています。人間の会話を理解する能力は、残念ながら持ち合わせていないのです。
会話が理解できるのならオスワリとかフセなどの、犬に人間が発する簡単な単語は、いともたやすく犬は理解できるはず。
であれば92%の飼い主さんは、しつけなど難なくできているはず。でも事実は違うわけです。
忠実だとか言葉がわかるとかの事実とは異なる思い込みは、もう捨てましょう。
先入観なく、仲よく暮らすために必要なさまざまなことを、犬にわかりやすい方法で丁寧に教える。それが飼い主家族、犬、社会それぞれの幸せのために必要なことです。
ちなみにこれ、私は20年以上訴え続けているわけですがね。
いやはや私の力不足ということでしょうね。
ちょっとトホホな気分にもさせられた、今回のアンケート結果でした。
写真/Can ! Do ! Pet Dog School提供
https://cando4115.com/index.html
西川文二氏 プロフィール
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