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獣医療の枠を超えて多くの人と保護犬を幸せにし続ける、一人の獣医師の思いとは

東京都にあるハナ動物病院は、日本全国の動物愛護団体や個人の愛護活動家を日々サポートしています。
院長である太田快作先生の取り組みを紹介します。

1回目の記事|ある保護犬との出会いが、ひとりの獣医師に活動の道を開いた!

2回目の記事|動物愛護活動の最前線でボランティアの人々を支える獣医師

飼い主さんの心に寄り添う診療がモットー

ハナ動物病院が保護したミニチュア・ダックスフンドのホースくん。ブリーダー崩壊現場から救出されました。
お話をうかがった獣医師の太田快作先生は、一般のペット診療でも常に全力投球で「飼い主さんの心に寄り添う診療」を心がけています。

「病気を治療して、寿命を延ばすだけの医療をするのではなく、
愛犬と飼い主さんにとって、何がいちばん幸せなのかをいっしょに考えていく診療を目指しています。
最後まで愛犬と暮らせて本当に幸せだったと、飼い主さんに思ってもらうことが、私の役割だと思っています」

これから犬を迎えるのなら「保護犬」も検討を

ハナ動物病院・看護師の早乙女さんと散歩の練習をする、保護犬のトノくん。
また、太田先生は、飼い主さんから愛犬の飼い方やしつけの相談を受けることも多いそう。

昨今では、犬のしつけについてなど難しく考えすぎてしまう飼い主さんが増えていると、太田先生は言います。

「ネットなどでさまざまな情報を仕入れるばかりではなく、まずは純粋に犬との生活を楽しんでもらいたいですね。
多少の問題行動があっても、それはその犬の個性として受け止めて、心からの愛情を注げば犬は必ず応えてくれるものです」

最後に太田先生は、「今後、うちのような動物病院が一軒でも増えてくれたらと思っています。
そして、これから犬と暮らそうと思っている方は、ぜひ保護犬を迎えることも検討してもらいたいですね」
と語ってくださいました。

太田先生は「手術できないことはない」と力になってくれた

個人保護活動家のJさんが、ハナ動物病院の譲渡会に参加したときの一コマ。(写真提供:Jさん)
「ファーブル家」というブログを立ち上げ、個人で保護活動をしているJさん。
病気だったりシニアになっている犬や猫を、元気な犬猫と分け隔てなく自宅で保護し、手厚い医療ケアをして新しい飼い主さんに譲渡をしています。

「私の活動には獣医師の協力が不可欠なんです。
太田先生のおかげで、今までに数多くの動物たちの命を救うことができました。
以前に顔半分を失っている猫を保護したとき、ほかの病院では手術を断られたのですが、
太田先生は、『手術ができないことはない』と、引き受けてくれたんです。
太田先生の外科手術の手腕で、その猫は今も元気にしています」とJさん。

太田先生の力で、ぴったりな家族が見つかった保護犬

Kさん一家に迎え入れられた、元野犬のニコちゃん。最初は超ビビりで、散歩にすら行けなかったのだとか。(写真提供:Kさん)
埼玉県のKさんは、2年前にハナ動物病院から山口県周南市の元野犬、ニコちゃんを迎えました。
Kさん一家は、3人のお子さんがいる5人家族。

「太田先生が、真っ先にニコを紹介してくれたんです。
『この犬は元野犬でとても怖がりだけど、大家族の中で群れの一員として飼えば、心を開いてくれるはず。
最初の1年は普通の犬ができることは何もできないと思って、気長にみてあげてください』
って説明してくれました」

そして、ニコちゃんは、太田先生が言ったとおり、Kさん宅に徐々に順応していき、今ではどこにでもいっしょに行ける、大切な家族となったそうです。

「保護した犬と相性ぴったりな家族を見きわめる太田先生の力に驚きました」とKさん。  

太田先生はときに獣医師の枠を超えて、数多くの人と動物たちを幸せにしているのです。


※各情報は、2020年12月4日現在の情報です。

出典/「いぬのきもち」2021年2月号『犬のために何ができるのだろうか』
取材・文/袴 もな
撮影/尾﨑たまき
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