先代犬の「富士丸」と犬との暮らしと別れを経験したライターの穴澤賢が、
数年を経て現在は「大吉」と「福助」(どちらもミックス)との暮らしで
感じた何気ないことを語ります。
以前書いたこともある
『ご近所さん』から、近くに犬OKの居酒屋があるらしいと聞いた。山の家がある「丸山の森」から、車で5分ほどだという。それは偵察しなくてはと早速予約して一緒に犬同伴で行ってみることに。すると本当に犬OKで、こぢんまりとしているがとてもいい感じのお店だった。
なんとも頼もしい店だった
お店の人曰く、メニューはあるけど、事前にリクエストしておけばだいたいなんでも用意できるという。なんとも頼もしい。犬飼いにとって、飲みに行くというのはそんなに気楽なものではない。
留守番させている犬のことが気になり、落ち着いて飲んでいられないのだ。だから若いころに比べると、飲みに行く回数は激減した。たまには外食することもあるが、さっと食べてとっとと帰る。でも犬も一緒に居られるのなら、落ち着いて飲める。しかも自分で料理しなくていい。
さらに驚きのサービスが
こんな素晴らしいところが近所にあったのかと思っていると、さらに衝撃的なサービスがあるという。間もなく送迎用のバンが納車されるから、そしたら家まで送迎してくれるらしい。嫁は飲まなくても平気だからいいのだが、送迎までしてくれるならその方が楽だ。
というわけで2週間後に再び予約すると、本当に山の家の前まで迎えに来てくれた。その日もご近所のカール家と一緒に、今度は「揚げ出し豆腐」や「ブリ大根」、「ポテトサラダ」などを事前にリクエストしておいた。
ビールの種類も酒も豊富で、犬たちとしっぽり一杯やるなんて、酒飲みにはたまらない。大福たちが喜んでいるかどうかは微妙だが、家で留守番しているよりは断然いいだろう。さらにシメにはラーメンもあり、これがまたうまい。
原村にある『 MIC HOUSE 』という店で、ランチもやっている。これからの季節、暑がりな犬は涼しい八ヶ岳に大喜びすると思うので、機会があればぜひ。貸し切りの日もあるので、予約するのをお忘れなく。
ちなみにここはペンションもやっていて犬も要相談なようなので、遊んだ後はここで飲んで寝るということもできるかも(事前に確認してみてね)。犬が遊び疲れて寝る隣で、ゆっくり飲むのはきっと至福のひと時になるはず。あ、くれぐれも飲みすぎないように。階段から落ちた私に言われたくないと思うけど。
プロフィール
穴澤 賢(あなざわ まさる)
1971年大阪生まれ。2005年、愛犬との日常をつづったブログ「富士丸な日々」が話題となり、その後エッセイやコラムを執筆するようになる。著書に『ひとりと一匹』(小学館文庫)、自ら選曲したコンピレーションアルバムとエッセイをまとめたCDブック『Another Side Of Music』(ワーナーミュージック・ジャパン)、愛犬の死から一年後の心境を語った『またね、富士丸。』(世界文化社)、本連載をまとめた『また、犬と暮らして』(世界文化社)などがある。2015年、長年犬と暮らした経験から
「DeLoreans」というブランドを立ち上げる。
ブログ「Another Days」
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大吉(2011年8月17日生まれ・オス)
茨城県で放し飼いの白い犬(父)とある家庭の茶色い犬(母)の間に生まれる。飼い主募集サイトを経て穴澤家へ。敬語を話す小学生のように妙に大人びた性格。雷と花火と暴走族が苦手。せっかく海の近くに引っ越したのに、海も砂浜もそんなに好きではないもよう。
福助(2014年1月11日生まれ・オス)
千葉県の施設から保護団体を経て穴澤家へ。捕獲されたときのトラウマから当初は人間を怖がり逃げまどっていたが、約2カ月ほどでただの破壊王へ。ついでにデブになる。運動神経はかなりいいので、家では「動けるデブ」と呼ばれている。