犬と暮らす
UP DATE
犬の「急性肝炎」はどんな病気?黄疸に気が付くポイントとは
急性肝炎は肝臓に炎症が起こる病気
いぬのきもち獣医師相談室の獣医師(以下、獣医師):
「急性肝炎は、何らかの原因によって肝臓に炎症が起こる病気です。
肝臓はさまざまな働きをもった臓器ですが、肝炎によって肝臓が働かなくなることで、解毒作用や血液凝固作用ができなくなったり、脂質やビタミンの代謝、タンパク質の合成などができなくなるなどのさまざまな症状がみられ、命に関わることもあります。」
急性肝炎の原因はさまざま
獣医師:
「急性肝炎の原因は、アデノウイルスⅠ型感染症やレプトスピラ症、細菌性肝炎、寄生虫感染、薬物中毒、毒物中毒、キシリトールなどの食べ物による中毒、また膵炎など、他の病気の炎症から波及した肝炎などもあります。」
――急性肝炎で特徴となる症状はありますか?
獣医師:
「急性肝炎の症状は、食欲低下や元気喪失、嘔吐、下痢、お腹が膨れる腹部膨満、黄疸などがみられます。」
犬の黄疸について
獣医師:
「黄疸は主に粘膜の色が黄色く黄変します。わかりやすいところでは、耳の内側のピンク色である部分や歯茎、目の粘膜、白目の部分があります。また、毛が薄いところだと皮膚が黄色いのがわかります。」
急性肝炎の治療方法
獣医師:
「急性肝炎は、動物病院での静脈点滴、嘔吐や下痢などの改善薬、強肝剤、利胆薬、ビタミン剤の投与などが行われます。また、細菌性の肝炎であれば抗生物質の投与も追加されます。」
急性肝炎の予防方法
獣医師:
「予防としてできることは、混合ワクチンの予防接種を受けること、中毒や誤飲の場合は飼育環境の改善を心がけること、膵炎や他の病気から肝炎を発症する場合については、早期発見のために健康診断を受けることが大切です。
また、内臓疾患を起こさないためにも、食事は脂肪分のとりすぎなどの栄養バランスが崩れないように、年齢に合った良質の物を与えるよう心がけましょう。」
急性肝炎とみられる症状がある場合は、できるだけ早く動物病院を受診することが大切ですね。
取材・文/maki
※写真は「いぬのきもちアプリ」で投稿されたものです
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください
UP DATE