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ノミ、フィラリア、ジアルジア…犬にとって、やっかいな寄生虫の話
寄生虫対策をしている飼い主さんも多いと思いますが、今一度、気をつけるべき寄生虫の種類について再確認しましょう。今回は「ノミ」「フィラリア」「ジアルジア」について、犬に寄生する感染経路や、寄生してしまった場合にみられる症状について解説します。ノヤ動物病院院長 野矢雅彦先生にお話を伺いました。
犬の体表に寄生するノミ
草むらの葉っぱにくっつき、犬が通ったときの揺れや振動、犬の体温などを感じて飛び移って寄生します。
気温18~27℃、湿度75~85%の環境を好むため、梅雨から9月は活動が活発化。屋外のノミは気温が下がれば活動は低下しますが、室内は別です。一匹でも室内に入れば、あっという間に増え、年中繁殖します。
どんな症状が出る?
また、ノミを口にすると瓜実条虫(うりざねじょうちゅう)が体内に寄生するおそれがあります。
ノミの活動時期には、駆除薬を投与して。愛犬にノミがいたら、すぐに室内の大掃除を。
命の危険をおびやかすフィラリア
予防意識の高まりによって、数は減ってきており、地域によってはまったく聞かない寄生虫かもしれませんが、まだ撲滅にはいたっていません。
最近は、全国各地から犬を迎える人も増えています。
感染が見られる地域から来た犬が、フィラリアをもっていることもあります。
住んでいる地域に感染事例が少なかったとしても、身近な寄生虫になる可能性もあるのです。
どんな症状が出る?
症状が出たときには重症化していたということも多く、最悪の場合、命を落とすこともあります。
フィラリア症は一度感染すると治療も難しいという恐ろしい病気ですが、予防薬を投与することで確実に防げるので、かかりつけ医の指示に従って予防を行いましょう。
子犬は特に注意したいジアルジア
不衛生な環境で増殖しやすく、ウンチで排出されたジアルジアが感染源となることが多く、またジアルジアは水の中で生きられるため、水たまりなどで飲水すると感染することもあります。
迎え入れる前に暮らしていた犬舎などで感染することもあり、子犬を迎え入れた際に体調不良が見られるようなら注意が必要です。
どんな症状が出る?
成犬は、症状が出ない場合もあります。
寄生されると自然治癒はしないので、動物病院で駆虫薬を使って、寄生したジアルジアを死滅させる必要があります。
お話を伺った先生/ノヤ動物病院院長 野矢雅彦先生
参考/『いぬのきもち』2021年8月号「本当に怖い寄生虫の話」
イラスト/香川尚子
取材・文/伊藤亜希子
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