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訴えられる? 訴えらえない? 愛犬への「ハラスメントトラブル」をジャッジ

愛犬といっしょに暮らすなかで、第三者のせいでひどく悲しい思いをしたり、嫌な体験をしたりしたとき、コミュニケーションで解決できるとよいですが、あまりにもひどい場合、訴えを起こすことはできるの? 今回は愛犬へのハラスメントトラブルについて、法の視点で解説します。弁護士の渋谷 寛先生にお話を伺いました。

「愛犬を見るたびに『太りすぎ』と言ってくる人に我慢の限界! 訴えられる?」

イラスト/沼田光太郎

【先生の見解】訴えられない

《賠償が発生するほどの損害はないと判断されそう》
太りすぎか否かの判断には、人により個人差があるかもしれません。相手は善意で伝えている可能性もあります。まずは、獣医師の判断でも太りすぎではないことを説明しましょう。その後も同じことを言われ続けた場合には、相手の過失が認められることになります。

しかし、金銭で賠償を命じるほどの損害があるか否かとなると、裁判を起こすほどの損害にあたらないと判断されるのが一般的でしょう。
ちなみに「標準なんですよ」と説明したにもかかわらず幾度も批判され、飼い主さんが精神的な病になって治療を受けた場合は、治療費を請求できるでしょう。

何度言っても愛犬が嫌がる頭を触る人を訴えられる?

イラスト/沼田光太郎

【先生の見解】訴えられない

《訴えるのは控えたほうがよさそう》
動物の感情の被害に対して損害賠償を命じた裁判例は見当たりません。愛犬の苦痛=飼い主さんも苦痛を受けたという考え方がされますが、それでも、金銭で賠償しなければならないほどの損害ではないと判断される可能性が高そうです。
ちなみに万が一、愛犬が相手を噛むなどしてケガをさせたら、逆に治療費を支払わなくてはならないケースも。

強引に犬に近づかれて愛犬がてんかん発作を起こした! 訴えられる?

イラスト/沼田光太郎

【先生の見解】訴えられる

《実際に発作が起きているので、訴えられる》
愛犬が臆病で、てんかんの持病があることを伝えていた場合は、相手が自分の愛犬を近づかせないよう制御する義務を怠ったことになります。実際に発作が起き、治療費が発生したのですから、損害賠償を求められます。
ちなみにてんかん発作が起きる可能性があることを事前に伝えていなかった場合や、発作が起きなかった場合には、訴えるのは難しいでしょう。
イラスト/沼田光太郎
ここでは「訴訟を起こせるか否か」をテーマにトラブル例を紹介しましたが、いざトラブルに巻き込まれたときは、まずは相手とコミュニケーションをとり、解決を試みることが大切です。訴訟はあくまでも話し合いで解決できない場合の最終手段と覚えておきましょう。

※紹介している体験談は、個人を特定するものではありません。
※解説はひとつの例にすぎず、まったく同一の解決・判決を保証するものではありません。個々の事件の判決については裁判所に、解決策はその当事者に委ねられます。
※イラストはイメージであり、実在する人物・団体とはいっさい関係ありません。

参考/「いぬのきもち」2021年11月号「訴えられる? 訴えられない?をマンガでわかりやすく解説! 犬の法律クイズ」(監修:弁護士/渋谷総合法律事務所。ペット法学会事務局長 渋谷 寛先生)
イラスト/沼田光太郎
文/sato
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