現在、さまざまなメーカーからペットフードが製造・販売されており、ダイエット用といった機能性を高めたものもたくさんあります。それらの品質はどのように守られているのでしょうか。犬や猫の健康のために見逃せない、フードに関する決まりについてまとめました。
ペットフード安全法って どんな法律?
正式名を「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」といいます。外国でペットフードの原料に有害物質が混入し、犬や猫に健康被害が出たことから、国内で流通するペットフードの安全を守るために2009年につくられた法律です。国(環境省および農林水産省)は安全なペットフードのために、守るべき基準・規格などを定め、事業者はそれを守って製造・輸入・販売することが定められました。ペットの健康被害を防止する必要が認められたときは、国は対象となるフードの廃棄・回収等の命令を行うことができます。
この法律の対象となるのは、犬と猫のペットフードで、薬機法で規制される医薬品や、またたび、猫草、店内で飲食されるフードなどは対象外です。
この法律によって、ドッグフード、キャットフードには、①名称(犬用・猫用の別も、わかるようにする)、②賞味期限、③原材料名、④原産国名、⑤事業者名および住所の記載が義務化されています。
ペットフードの表示に関する 公正競争規約
ペットフードの業界団体である「ペットフード公正取引協議会」によって制定され、公正取引委員会が承認する規約です。ペットフード安全法で定められた5項目の他、ペットフードの目的、内容量、給与方法、成分を記載することとしています。
自主基準ですが、国内で販売するペットフードの90%以上がこの団体に所属する事業者から販売されているもので、非会員社も含めて、市場のほどんどのペットフードはこの規約にそって表示が行われています。
その他の気になる 表示の意味は?
ペットフードの中には、「『AAFCO』(米国飼料検査官協会)の基準をクリア」といった表記がされていることがあります。AAFCOはアメリカの団体で、ペットフードの栄養基準、ラベル表示などに関するガイドラインを設定しています。
日本の「ペットフードの表示に関する公正競争規約」も、総合栄養食についてAAFCOの栄養基準を採用しています。あくまで基準を定めている機関で、基準クリアを認定したり承認したりしている団体ではありません。