犬はなぜ人の考えや気持ちを見抜ける?
「ワンちゃんって人の気持ちがわかるの?」と感じたことはありませんか?ワンちゃんたちが人のケンカを止めようとしたり、悲しんでいるときに寄り添ってきたりするのをよく見かけますよね。「心を見抜かれた!?」とちょっと驚いてしまいますが、この行動には、ワンちゃんの特性が大きく関係しているのです。
ワンちゃんたちが、気持ちを見抜いているように思える理由の1つに、観察力の鋭さがあります。ワンちゃんは嗅覚や聴覚が人よりもかなり優れているため、より観察する能力が高いといえるでしょう。さらにこれまでの経験で学んだこともふまえで行動するため、人は「見抜かれた!」と思ってびっくりしてしまうのですね。
それでは、ワンちゃんが「見抜いている」ような行動の具体例を挙げてみていきましょう。
つらいことがあったこと、気づいてるの?
飼い主さんが仕事でつらいことがあり、がっかりして帰ったときに、いつも以上にくっついてくるワンちゃん。こんな場面では、飼い主さんに笑顔がないことに、ワンちゃんが気付いているのです。「自分がそばにくっつくと飼い主さんは笑ってくれる!」と覚えているので、飼い主さんに寄り添ってくれています。本当にけなげですね。なお、最近の研究により、ストレスホルモンとも連動していることが分かってきました。
「今日はお休み」ってなんで分かった?!
毎朝飼い主さんを起こしにくるはずのワンちゃんが、なぜか仕事がお休みの日には起きるまで待ってる・・・お休みは不規則だから分かるはずがないのに、とても不思議!といった経験はありませんか?
ワンちゃんは、飼い主さんが「お休みだ!」と思って無意識にとっている行動や、リラックスした雰囲気を感じ取っています。なので「今日は起こさなくても大丈夫」と思って、起きるまで静かにしているのでしょうね。
兄弟のように思ってくれている場合も
家族の中でも子どもの様子に敏感で、子どもが落ち込んだときなどに、誰よりも早く見抜いて、そばから離れなくなるワンちゃん。それは、その子を自分の兄弟のように思い、「自分がいつもそばにいてあげなきゃ」と思っているからです。守ってあげたいという気持ちが強いんでしょうね。大好きな人がどんな様子でいるかは、ワンちゃんの気持ちや行動にもたらす影響がとても大きいのですね。
ワンちゃんが「見抜く」能力に犬種による差はありませんが、勘づいたあとにどんな行動を取るかについては、違いが出てくるようです。その犬種独自の性格や特性によっても変わってきますし、人とどれくらいの期間関わってきたのかや、どんな経験や学習をしてきたかによっても異なります。
ワンちゃんたちの鋭い観察力には驚くばかりですが、それはいつも人をよく見てくれているからでもあるのです。私たちもワンちゃんのようすをよく観察してあげることで、さらに絆が深まっていくでしょう。
出典/いぬのきもち2017年2月号 『うちの犬・・・、見抜いているんです!』(監修:東京農業大学農学部バイオセラピー学科教授 増田宏司先生 )
文/maya
※写真はアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」にご投稿いただいたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。