愛犬に自分の行動を読まれていると感じることがありませんか? そう思う原因は、犬のコミュニケーション能力の高さにあるのかもしれません。今回は犬のコミュニケーション能力について、哺乳類動物学者の今泉忠明先生にお話を伺いました。
犬は人の表情や行動を見ている
犬は、飼い主さんの行動や表情をよく見ています。そのため、自分にとっていいことや嫌なことが起きる前触れを敏感に察知するのです。
この洞察力は、過去の経験から学習したもの。たとえば、「飼い主さんがバッグを持つ → 留守番」となるので、「あきらめてハウスに入ろう」と行動することがあるのでしょう。
飼い主さん以外の人も例外じゃない!
犬は、飼い主さんに限らず、ほかの人の行動や表情もよく観察しています。相手がおろおろした態度をとると、見慣れない動きや雰囲気から「不審だな」「敵かも!?」と感じることが。だから、警戒して吠えることがあるのです。
人の言葉を200語以上も覚えられる
ドイツのマックス・ブランク研究所が、実験により「犬は200語以上の単語を覚えられるだろう」という発表を行いました。これは、知能が高いことで知られるチンパンジーに匹敵するレベル。人でいえば、3才児くらいの知能レベルがあるのだそう。
この能力があるから、「ゴハンよ」「散歩に行こう」などの話が通じるのでしょう。
視線や指差しのコミュニケーションができる
最初に犬が人の表情を見ていることを書きましたが、犬は表情だけじゃなく、人の視線も観察しています。また、人が何かを指差すと犬の視線も自然と同じ方向を向くことから、犬は「指を差した先には何かがある」と感じているようです。
そればかりか、犬はおねだりするときに、人をじっと見つめて目配せすることが。つまり、犬は視線でコミュニケーションを図ることができるのです。
人の表情や行動、視線をよく観察し、言葉を理解しているから、犬は飼い主さんの行動の察しがつくのかもしれませんね。コミュニケーション能力が高い動物なので、あえて伝えようとしなくても、飼い主さんのやりたいことがわかるのでしょう。
お話を伺った先生/今泉忠明先生(哺乳類動物学者 日本動物科学研究所所長)
参考/「いぬのきもち」2019年4月号『「ざんねんないきもの事典」シリーズで話題の今泉先生に聞いてみました!犬ってどんな動物なんだろう?』
文/小崎華
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。