愛犬のケージやサークル、クレート、ベッドなどのハウス。ずっと同じものを使っていませんか? じつは、愛犬や環境に合わせて見直しが必要なんです。今回はその理由をペットドッグトレーナーで獣医師の藤本聖香先生に教えていただきました。
理由1=年齢 成長や老化に伴い体格や体調が変わるから
子犬期から成犬期では著しい成長で体格が大きくなります。また、成犬期からシニア期では体調に変化があらわれやすくなります。それに伴い、ハウスも成長に合ったもの、不調をサポートしてくれるものを選び直す必要があります。
●藤本先生宅はハイシニアにやさしい高反発マットを新たに追加
「愛犬の16才の誕生日に高反発マットをプレゼント。ハイシニアは足腰が弱くなるのでやわらかすぎるマットでは立ちづらく、かたすぎるマットでは床ずれしやすくなるので、適度な弾力の高反発マットがおすすめです」
理由2=季節 外気の寒暖差から守る必要があるから
室内飼いの犬はとくに、寒暖差が苦手です。近年では、夏の猛暑や冬の大寒波などでより過酷な環境に。ハウスも季節に対応したものに見直す必要があります。ただ、冷えすぎ温めすぎは犬の健康によくないので、夏でも温まれる、冬でも涼める場所を確保しておきましょう。
●藤本先生宅は、夏はタイル床でひんやり、冬はベッドなどを敷き詰めて温かく!
「夏は涼めるように冷たいタイル床のスペースを多めに活用。冬はタイル床のスペースを少し残しつつ上にベッドやマットなどを敷き詰めています」
※写真は13才のころです。
理由3=ライフスタイル 生活環境の変化は大きなストレス。安心できる居場所が必要です
「留守番が長くなる」「家族や同居犬が増える」など、飼い主さんや犬自身のライフスタイルの変化は、犬にとって少なからずストレスに。ハウスは、ストレスから逃げたり軽減したりできるものになるよう、見直しをしましょう。
●藤本先生宅は、外出が多くなったことで、ソフトケージを追加!
「ドッグトレーナーの仕事現場に愛犬を連れていく機会が多くなったことから、自宅にソフトケージを追加しました。出入り口側にマットを敷いたり、布をかけたりしてお気に入りの場所に。外出先でも自宅と同じハウスが使えて安心しているようです」
犬は、誰にも邪魔されないプライベートな空間があると落ち着いて過ごせます。ハウスは犬にとってまさにそんな場所。だからこそ、愛犬自身や環境が変化しても、常に〝安心・快適〞であるかを飼い主さんは意識したいですね。
お話を伺った先生/英国APDT 認定ペットドッグトレーナー、獣医師 藤本聖香先生
参考/「いぬのきもち」2023年6月号『愛犬の「ハウス」まんまじゃダメなんです!』
文/いぬのきもち編集室
※この企画での「ハウス」は、「愛犬が落ち着ける居場所」と定義し、ケージ、サークル、クレート、ベッドなどすべてを含みます。