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雨の中、路上でびしょ濡れだった犬を保護→のちに正式に家族に。出会いから2年、いまではかけがえのない存在に

「私はいずも丸と出会うために生まれてきたのかも——そう思うこともあります」と話すのは、X(旧Twitter)ユーザー@nakkkkkanさん。

愛犬・いずも丸くん(取材時、推定3才)は飼い主さんが保護したコでした。飼い主さんはいずも丸くんとどのように出会ったのか、お話を聞きました。

雨が降る中、びしょ濡れになっていたいずも丸くんを発見し保護

保護したときのいずも丸くん
保護したときのいずも丸くん
@nakkkkkan
出会いは2021年7月、雨が降り続ける梅雨の時期の早朝のことでした。当時夜勤をしていた飼い主さんは、仕事終わりにいつものコンビニに寄って帰ろうとしたそう。すると、コンビニの隣にある駐車場でびしょ濡れになっているチワワを見つけたといいます。それが、いずも丸くんでした。
飼い主さん:
『このままじゃ死んじゃう』と思って保護しようとしましたが、いずも丸はとても警戒して怖がっており、逃げてしまって。でも、運良く行き止まりに逃げ込んだところを、噛まれながら無理やり捕まえて抱きかかえることができたんです」
抱っこしながら「怖いだけなんだよね、大丈夫だよ」と優しく声をかけてあげると、いずも丸くんは急におとなしくなったそうで、保護することに。当時、近くにいずも丸くんを探しているような飼い主らしき人はいなかったといいます。

いずも丸くんの体をよく見てみると爪は伸び切っており、毛玉もすごくてウンチやオシッコまみれと、ひどい状態だったそうです。

保護してから3カ月後に、正式に家族に

正式に家族になった日のいずも丸くん
正式に家族になった日のいずも丸くん
@nakkkkkan
いずも丸くんを保護したあと、飼い主さんは届け出を出すため交番に行きました。当時の思いを、飼い主さんはこう振り返ります。

飼い主さん:
「3カ月以内に飼い主さんが現れたら、その人のもとに戻さないといけないのは承知していました。そして3カ月が経った10月に警察署に書類を提出して、いずも丸と正式に家族になりました。

保護当時のいずも丸はあまりにもひどい状態だったため、『私が幸せにしたい』という思いが強かったです。3カ月が経つ日の1週間前から、いずも丸と離れる夢ばかり見ていたので相当メンタルにきていましたが、これからいずも丸とずっと一緒だと思うと、その嬉しさが抑えられなかったです。いずも丸を抱きながら号泣してしまいましたね」

すべてが怖い様子だったいずも丸くん。一緒に暮らすなかで、少しずつ変化が

怖がりながら散歩をするいずも丸くん
お迎え当時のいずも丸くんは、怖がりながら散歩をしていたそう。
写真提供/@nakkkkkan
お迎え当時のいずも丸くんについて、「外を歩くだけで肉球から出血してしまうような、赤ちゃんのままのような肉球だった」と話す飼い主さん。また、外に連れ出すとしっぽは常に巻き込んだ状態で、車の音やバイクの音が聞こえるたびに走って逃げようとすることもあったそうです。

人や犬などすべてが怖い様子のいずも丸くんを見て、飼い主さんは「これまで散歩を経験してこなかったのかもしれない」と感じたといいます。
しっぽを振って散歩をするいずも丸くん
2022年4月の散歩で、いずも丸くんは初めてしっぽを振りながら歩いてくれたそう。
@nakkkkkan
飼い主さんは怖がりないずも丸くんのペースに合わせて、少しずつ散歩に慣れさせていくことに。すると、いずも丸くんに変化が見られたといいます。
飼い主さん:
「保護してから9カ月後の散歩で、いずも丸は散歩中に初めてしっぽを振りながら歩いてくれたんです。本当に嬉しかったですね」
散歩を楽しむいずも丸くん
いずも丸くんの笑顔から「楽しい」が伝わってくる!
@nakkkkkan
いまでは、いずも丸くんは散歩を楽しめるまでに成長しました。外のニオイを嗅いで“クン活”をしたり、オシッコもできるようになってマーキングするような姿も見られるのだとか。

「まだまだ怖いものだらけですが、日々成長しているのを散歩で実感します」と、飼い主さんは話します。

いずも丸くんが自分の感情を表現する姿を見て、成長を感じることも

あくびをするいずも丸くん
@nakkkkkan
いずも丸くんの性格は、「のんびりしていて甘えん坊だけれど、“コミュ障”だなぁという印象」とのこと。お迎えしたばかりのいずも丸くんは社会化期をうまく過ごせなかったのか、ほかの犬との接し方を知らない様子だったといいます。
飼い主さん:
「いまは『相手のコのニオイを嗅ぐ』までできるようになりましたが、その後の遊びに誘う方法がわからない様子です。

いずも丸は本当は遊ぶことが大好きでやんちゃな一面があるので、私を遊びに誘ったり、自由に楽しんでいる時間を見ると安心しますね」
くつろぐいずも丸くん
甘えん坊ないずも丸くんは、寝るときに毎回抱っこをせがんだり、飼い主さんに抱っこされたまま眠ってしまうのだそう。
@nakkkkkan
また、いままではワガママやごはんの催促もしなかったいずも丸くんでしたが、いつの間にかワガママな姿を見せたり、催促したりするようになったのだとか。

自分の感情を表現するいずも丸くんを見て成長を感じるとともに、飼い主さんは嬉しい気持ちでいっぱいになるといいます。

いずも丸くんと出会って2年。飼い主さんがいま思うことは

くつろぐいずも丸くん
@nakkkkkan
いずも丸くんと出会い保護してから、2年の月日が経過しました。いずも丸くんと出会う前の飼い主さんは、「人間関係の構築というものが下手で、社会に馴染めないタイプ」だったそうですが、いずも丸くんと出会って自分自身の変化を感じているそうです。

以前よりも笑うことが増えたり、いずも丸くんを連れて近場に出かけたり旅行をしたりなど、飼い主さん自身もたくさんの経験をしているのだとか。

「いずも丸は、ずっと立ち止まっていた私を動かしてくれる力になってくれている」と、日々感じているといいます。
散歩を楽しむいずも丸くん
@nakkkkkan
いずも丸くんとの出会いを振り返り、飼い主さんはどのようなことを思うのでしょうか。いまの気持ちを聞きました。
飼い主さん:
「これまでの人生でつらいなと思うこともありましたが、いままでの苦しさはいずも丸に出会うために必要だったんだなぁ。いずも丸に出会えたんならおつりがくるぐらいだ——そんなふうに感じるほど、いずも丸はかけがえのない存在になりました。

いずも丸は、生まれてから私と出会うまで、きっとつらいことも多かったのではないかと思います。まだまだたくさん怖いものがあるので、無理をさせないで、いずも丸のペースに合わせてあげたいです。

いずも丸と出会ってから私のほうがたくさん笑顔にしてもらっているので、いずも丸にはたくさんの幸せの中でたくさんの経験をしてほしいなと思います」
写真提供・取材協力/@nakkkkkanさん/X(旧Twitter)
※この記事は投稿者さまにご了承をいただいたうえで制作しています。
取材・文/雨宮カイ
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