犬のからだの機能は謎がたくさん。愛犬と長く一緒に過ごしていても、不思議に思うことがたくさんありますよね。今回のテーマは、犬の不思議な生態。なぜそのような機能になったのかの理由や背景も含めて、哺乳類学者の今泉忠明先生に教えていただきました。
犬は白目で物を言える!
自然界の多くの動物は、白目がないか、あっても外からはほとんど見えません。それは、相手に自分の白目を見られると、恐怖や不安といった心理状態を察知されて攻撃されるおそれがあるためです。
それに対して犬は、感情とともに白目がよく見える珍しい動物。このおかげで、飼い主さんに“目配せ”でおねだりするなど、目で人とコミュニケーションがとれるというわけです。
鼻の切れ目でニオイ源の方向がわかる
犬の鼻をよく見ると、左右に「切れ目」があります。今泉先生によると、犬はこの切れ目でニオイがしてくる方向を特定しているのだとか。
野生時代、犬はニオイを手がかりに獲物のいる方向を判断する必要があったため、このような鼻の形になったのかもしれません。ちなみに、猫や熊の鼻にも同じような切れ目があるそうです。
犬は人の足のニオイに敏感?
犬は動物性たんぱく質のニオイをかぎ分ける能力に長けていて、なんと人の1億倍も鼻がきくとされています。なかでもチーズやバターに含まれ、足のニオイのもとでもある「酪酸」にはとても敏感。警察犬が犯人のつけた足跡を追跡できるのもこのためです。飼い主さんの靴下が好きな犬が多いのにも納得ですね。
足のニオイが好きだなんて、とってもかわいらしいですよね♡ 犬のスゴイ能力や不思議な生態を知ると、もっともっと愛犬のことが好きになりますよ。
お話を伺った先生/今泉忠明先生(哺乳類学者 日本動物科学研究所所長)
参考/「いぬのきもち」2021年2月号『動物学者のあの今泉先生がぜひみんなに知ってもらいたい! ざんねんじゃない犬のスゴイ!!生態』
文/柏田ゆき
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。