犬と暮らしていると、人の気持ちに置き換えて「こんなふうに思っているのかな?」と思うことってありますよね。今回は、とくに気になる飼い主さんに対しての気持ちを、獣医師で獣医学博士の増田宏司先生が判定してくれました。
犬に慰める気持ちはある?
【ある!】犬の慰める気持ちについて解明が進んでいます
以前から、見知らぬ人であっても、犬の前で泣きまねをすると犬が寄ってきて慰めるような行動をとる傾向があることは研究で証明されていました。さらに近年では、行動だけでなく犬に慰める気持ちがあるとした研究結果をまとめた本が出版されています。また、群れで生活していた犬は、仲間の様子を気にして行動したり空気を読んだりする習性があります。そんなことから、体調が悪い人がいると、気づかう気持ちから見守るなどの行動をする犬もいます。
犬に仲裁する気持ちはある?
【ある!】いつもの雰囲気に戻すために間を取りもとうとします
犬は、空気を読む能力にすぐれ、いつもと異なる雰囲気に敏感です。そして、いつもと異なることは不安なので元に戻そうとするため、ケンカで不穏な雰囲気を察すると間を取りもつような行動に出ることがあります。
犬にやきもちの気持ちはある?
【ある!】犬のやきもちは、海外の研究でも明らかに!
海外の研究で、犬も複雑なやきもちの感情をもつことが明らかになっています。例えば「夫婦で手をつなぐと吠えて遮ろうとする」ケースでは、「仲間はずれになっている」「どちらか一方の飼い主さんを取られたくない」といったジェラシーから邪魔をしている可能性が。
犬に優越感はある?
【ない!】人のように自分と相手に優劣をつけることはしないでしょう
犬は、相手が自分よりすぐれているか劣っているかという意識は低いので、優越感のような感情はないでしょう。「夫に抱っこされていると“ドヤ顔”でこちらを見てきたり、そっぽを向いたりする」というケースは、もしかしたら、奥さんが旦那さんのことを大好きで、そんなふうに見えているのかもしれませんね(笑)。
いかがでしたか? 慰める気持ちややきもち、仲裁しようとする気持ちがあるなんて、ますます犬の存在がいとおしくなりますね!
お話を伺った先生/獣医師。博士(獣医学)。東京農業大学農学部動物科学科(動物行動学研究室)教授 増田宏司先生
参考/「いぬのきもち」2024年1月号『こんな気持ち犬にもある? ない?』
イラスト/二階堂ちはる
文/いぬのきもち編集室
※犬の気持ちについては諸説あります。この記事では、増田先生の見解をもとに編集室で構成し、紹介しています。ジャッジは、「ある」か「ない」のどちらの割合が多いかで決めています。