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獣医師監修|犬の避妊手術後の変化や注意事項【体験談&FAQ付】

今回は、避妊手術を受ける前に改めて確認しておきたい、手術の流れやその前後での注意事項、避妊手術後の犬の変化に関する疑問について解説します。「いぬのきもち相談室」によせられた飼い主さんからの質問もご紹介するので、参考にしてくださいね。

避妊手術を受ける前に知っておきたいこと・注意点

4匹の犬
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
まずは、飼い犬の避妊手術を考えたときに、飼い主さんが取るべき行動と注意点についてご紹介します。

獣医師に相談し、避妊手術について正しく理解する

インターネットでさまざまな情報を集めることも大切ですが、避妊手術は年齢や犬種、持病の有無によってメリットやデメリット、それに伴う麻酔のリスクも変わってきます。愛犬が避妊手術を受ける場合は、信頼できる獣医師の口から直接説明してもうことが大切です。

避妊手術を受けるための術前検査を受ける

避妊手術は、全身麻酔が必要となります。そのため、麻酔をかけた上でお腹を開ける手術に犬が耐えられるどうか、術前に評価しなければなりません。その評価のために、多くの動物病院で行われている術前検査が、血液検査です。
術前検査を行うと現状を詳しく把握できますし、もし予算に余裕があれば、血液検査に加えて以下の検査も受けておくと、より安全に麻酔をかけることができるでしょう。

《その他の術前検査》
レントゲン検査/腹部エコー検査/心臓エコー検査/心電図検査など

事前に備えておくこと

避妊手術に際して、法律で定められている狂犬病の予防はもちろん、混合ワクチンの接種、ノミ・マダニの予防も徹底するようにしましょう。病院内ではほかの犬と接触はなくても同じ入院室で入院する場合が多いので、感染症を蔓延させないためにも、手術の二週間以上前までに各種予防を行うことが大切です。
また、肥満気味の犬は麻酔のリスクが高くなるので、日頃から体重管理をしておくことが大切です。

避妊手術日前・直後の過ごし方

ボールとチワワ
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
ではここから、一般的な避妊手術の流れについてみていきましょう。

手術前日の過ごし方

激しい運動をしたり、初めての場所に行ったり、なれないオヤツを与えたりするなど、普段と違うことはさせず、いつも通り過ごしましょう。ご飯は通常通り与えて構いませんが、前日の夜ご飯を最後に絶食させてください。

手術当日の過ごし方

一般的には朝は絶食・絶水にして、指定された時間までに病院へ連れて行ってください。リキッドタイプの食事に限り、与えることを許可してもらえる場合がありますが、犬の状態による事ですので必ずあらかじめ獣医師に確認しましょう。

手術後(当日)の過ごし方

一般的には手術はお昼頃から夕方の間に行います。午後の診察前には手術は終わっている事が多いようですが、病院毎に異なりますので、気になる場合はあらかじめ確認しましょう。退院に関しては、翌日というケースが多いです。一泊の入院が必要かは獣医師によって方針が異なるので、事前に確認してください。
手術当日の退院であれば、体力がしっかり回復していないこともあります。また、食欲が落ちることも珍しくはないので、ご飯は少なめにしてあげるとよいでしょう。翌日からは普段通り、ご飯を与えて構いませんが、退院後の高栄養サポート食もあります。食事を与えるタイミング、食事内容に関しては獣医師の指示に従ってください。

避妊手術後~抜糸までの間に注意したいこと

眠る白い犬
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

傷口の管理は基本的に何もしなくてOK

手術の傷口に対する消毒などの管理は、基本的に行う必要はありません。傷口はテープなどでカバーされていることもありますが、特に保護をしない場合もあります。いずれにしても、主治医から特に指示などがないようなら、気にせずそのままにしておいてください。ただし、強くこする、水などでぬれるなどすると、傷口に炎症が起きて治りにくくなります。痛みや痒みにつながることもあるので、優しく丁寧に扱うようにしましょう。

なるべく安静に過ごす

体力が回復すれば、普段と同じように過ごしても構いません。ただし、運動目的で散歩に連れて行ったり、ボールなどを使って故意に運動させたりすることは控え、抜糸が終わるまではなるべく安静に過ごす方がよいでしょう。

処方された薬について

処方された飲み薬は指示された通りに飲ませてください。愛犬が元気にしているからといって勝手にやめてしまうと、傷口の治りが遅くなるだけではなく、最悪の場合、化膿してしまい傷口が開くなどして縫合の再手術が必要になることも。
また、術後数日は傷口に対しての痛み止めを処方される場合があります。胃があれることもあるので胃薬と一緒に処方されることが多いですが、こちらも主治医の指示通りに飲ませるようにしましょう。
なお、感染予防のために抗生剤も飲ませますが、まれに副作用で嘔吐や下痢の症状が見られることがあります。いずれにしても、薬に飲ませ方は主治医の指示に従いますが、副作用がでることもあるのでその場合は相談してください。

抜糸のタイミングとその後

手術の傷口は、糸で縫ったりホッチキスのような金具でとめたりするため、抜糸のために術後1~2週間後に再度病院へ行く必要があります。それまでの間は、愛犬が傷口をなめないように注意しましょう。傷が治って抜糸ができるようになるまでの間は、洋服を着せたり、エリザベスカラーを装着したりする場合もあります。
傷口を見て問題なければ抜糸を行います。また、抜糸後数日たてばトリミングやシャンプーなども行ってもOKですが、可能になる時期については獣医師に確認しましょう。

避妊手術後におこり得る犬の変化について

黒い犬
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
続いては、避妊手術後の犬の変化についてみていきましょう。避妊手術を受けることで、犬が太りやすくなったり、性格が変わったりするといわれることがありますが、本当なのでしょうか。

避妊手術後の体重の変化について

避妊手術を受けると、これまでと同じ食事量や運動量では体重が増加していく傾向にあります。ご存知の通り、肥満は万病の元ですので、術後の体重管理を徹底しましょう。体重管理のために、術後体調が安定してからスタートする避妊・去勢手術後用のフードもあります。さまざまな種類があるので、一度獣医師に相談してみてください。

避妊手術後の性格の変化について

オス犬が去勢手術を受けることで、攻撃性が減ったというような変化はおこることがありますが、メス犬の場合、手術による直接的な性格の変化はほとんどないといわれています。ただ、術後の入院のストレスなどから、何らかの性格の変化が起きる可能性は否定できません。よりストレスを少なく入院させたいということであれば、事前に獣医師に相談してみましょう。

オシッコのお悩みやエリザベスカラーなど、避妊手術後のFAQ

カラーをつける犬
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
では最後に、「いぬのきもち相談室」によせられた避妊手術後に関する飼い主さんのお悩みを、獣医師の回答とともにご紹介します。

お悩み:避妊手術後のエリザベスカラーについて

避妊手術後、エリザベスカラーをつけたらストレスなのか凶暴になってしまいました。カラーはしなければいけませんか。

《担当獣医師の回答》
避妊手術後にエリザベスカラーをするのは、犬が自分で傷口をなめたり、自分で抜糸してしまったりすることがあるからです。これまでの経験上、最初はエリザベスカラーを気にしていても多くの場合、1~2日で慣れてきます。たしかに、少し不自由そうではありますが、抜糸まで大体1週間~10日ほどですので、特別な期間と考えて上手に付き合って過ごしましょう。ただ、なかにはストレスを強く感じすぎてしまう犬や、サイズが合わず生活に支障をきたすことがあるので、その場合はかかりつけ医に相談してみましょう。

避妊手術後のトイレについて

生後7カ月の柴です。避妊手術後、トイレで排泄してくれなくなりました。どうすればいいのでしょうか。

《担当獣医師の回答》
避妊手術後は傷口の違和感や、エリザベスカラーを装着しての生活など、いつもと状況が違うことで、トイレが一時的にわからなくなってしまっている可能性があります。抜糸が終わるくらいまでは、少しトイレの環境を変えてあげるなどして対応してあげましょう。
また、今はエリザベスカラーに代わり術後服を利用する病院もあるので、獣医師に相談してみてくださいね。

避妊手術後の体調不良について

避妊手術をしてから、食欲がないのですが心配ないでしょうか。

《担当獣医師の回答》
避妊手術は、全身麻酔後に開腹し子宮と卵巣(または卵巣のみ)を切除するという大きな手術です。次の日には、普段と変わらない様子を見せる犬もいますが、体力の回復に多少時間がかかる犬も少なくありません。また、避妊手術を受けるために初めて家族と長時間離れたり、入院を経験したりするなど、精神的なダメージが原因の可能性も。ほかにも、傷口を保護するためのエリザベスカラーや絆創膏が気になる犬もいるようです。
この場合、まずは2日~3日様子を見て、食欲や元気が戻ってくるようなら問題はないと考えられます。しかし、日を追うごとに食欲がなくなってきたり、動きが悪くなってきたりする場合は、ほかの原因が考えられるので、手術を受けた動物病院に相談するようにしましょう。

避妊手術後のウンチについて

避妊手術後、愛犬がウンチをするとき痛そうにしています。

《担当獣医師の回答》
避妊手術は腹壁を開けて行うので、お腹に傷があります。そのため、オシッコは普通にできても、ウンチをするときはお腹に力が入るので、数日~1週間は痛みが残ることがあります。この場合、抜糸をしてからも痛がるようでしたら、手術後の痛み以外にも何か原因があるかもしれませんので、動物病院で診察を受けましょう。

いぬきもち WEB MAGAZINE「獣医師が答えるQ&A(避妊手術)」

避妊手術は動物病院や獣医師によって方針が異なることがあります。まずはかかりつけの獣医師に相談し、飼い主さんの納得のいくプランで手術を受けることが大切ですよ。
参考/「いぬのきもち」WEB MAGAZINE『獣医師が答えるQ&A(避妊手術)』
監修/平野太陽先生(右京動物病院SAGANO院長)
文/hasebe
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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