犬と暮らす
UP DATE
獣医師監修|犬の避妊手術後の変化や注意事項【体験談&FAQ付】
今回は、避妊手術を受ける前に改めて確認しておきたい、手術の流れやその前後での注意事項、避妊手術後の犬の変化に関する疑問について解説します。「いぬのきもち相談室」によせられた飼い主さんからの質問もご紹介するので、参考にしてくださいね。
平野 太陽 先生
右京動物病院SAGANO
麻布大学卒業
奈良動物二次診療クリニック第6期研修修了
●資格:獣医師/宅地建物取引士
●所属:京都市獣医師会/日本動物病院協会/日本獣医画像診断学会/日本獣医がん学会/日本獣医腎泌尿器学会
避妊手術を受ける前に知っておきたいこと・注意点
獣医師に相談し、避妊手術について正しく理解する
避妊手術を受けるための術前検査を受ける
術前検査を行うと現状を詳しく把握できますし、もし予算に余裕があれば、血液検査に加えて以下の検査も受けておくと、より安全に麻酔をかけることができるでしょう。
《その他の術前検査》
レントゲン検査/腹部エコー検査/心臓エコー検査/心電図検査など
事前に備えておくこと
また、肥満気味の犬は麻酔のリスクが高くなるので、日頃から体重管理をしておくことが大切です。
避妊手術日前・直後の過ごし方
手術前日の過ごし方
手術当日の過ごし方
手術後(当日)の過ごし方
手術当日の退院であれば、体力がしっかり回復していないこともあります。また、食欲が落ちることも珍しくはないので、ご飯は少なめにしてあげるとよいでしょう。翌日からは普段通り、ご飯を与えて構いませんが、退院後の高栄養サポート食もあります。食事を与えるタイミング、食事内容に関しては獣医師の指示に従ってください。
避妊手術後~抜糸までの間に注意したいこと
傷口の管理は基本的に何もしなくてOK
なるべく安静に過ごす
処方された薬について
また、術後数日は傷口に対しての痛み止めを処方される場合があります。胃があれることもあるので胃薬と一緒に処方されることが多いですが、こちらも主治医の指示通りに飲ませるようにしましょう。
なお、感染予防のために抗生剤も飲ませますが、まれに副作用で嘔吐や下痢の症状が見られることがあります。いずれにしても、薬に飲ませ方は主治医の指示に従いますが、副作用がでることもあるのでその場合は相談してください。
抜糸のタイミングとその後
傷口を見て問題なければ抜糸を行います。また、抜糸後数日たてばトリミングやシャンプーなども行ってもOKですが、可能になる時期については獣医師に確認しましょう。
避妊手術後におこり得る犬の変化について
避妊手術後の体重の変化について
避妊手術後の性格の変化について
オシッコのお悩みやエリザベスカラーなど、避妊手術後のFAQ
お悩み:避妊手術後のエリザベスカラーについて
《担当獣医師の回答》
避妊手術後にエリザベスカラーをするのは、犬が自分で傷口をなめたり、自分で抜糸してしまったりすることがあるからです。これまでの経験上、最初はエリザベスカラーを気にしていても多くの場合、1~2日で慣れてきます。たしかに、少し不自由そうではありますが、抜糸まで大体1週間~10日ほどですので、特別な期間と考えて上手に付き合って過ごしましょう。ただ、なかにはストレスを強く感じすぎてしまう犬や、サイズが合わず生活に支障をきたすことがあるので、その場合はかかりつけ医に相談してみましょう。
避妊手術後のトイレについて
《担当獣医師の回答》
避妊手術後は傷口の違和感や、エリザベスカラーを装着しての生活など、いつもと状況が違うことで、トイレが一時的にわからなくなってしまっている可能性があります。抜糸が終わるくらいまでは、少しトイレの環境を変えてあげるなどして対応してあげましょう。
また、今はエリザベスカラーに代わり術後服を利用する病院もあるので、獣医師に相談してみてくださいね。
避妊手術後の体調不良について
《担当獣医師の回答》
避妊手術は、全身麻酔後に開腹し子宮と卵巣(または卵巣のみ)を切除するという大きな手術です。次の日には、普段と変わらない様子を見せる犬もいますが、体力の回復に多少時間がかかる犬も少なくありません。また、避妊手術を受けるために初めて家族と長時間離れたり、入院を経験したりするなど、精神的なダメージが原因の可能性も。ほかにも、傷口を保護するためのエリザベスカラーや絆創膏が気になる犬もいるようです。
この場合、まずは2日~3日様子を見て、食欲や元気が戻ってくるようなら問題はないと考えられます。しかし、日を追うごとに食欲がなくなってきたり、動きが悪くなってきたりする場合は、ほかの原因が考えられるので、手術を受けた動物病院に相談するようにしましょう。
避妊手術後のウンチについて
《担当獣医師の回答》
避妊手術は腹壁を開けて行うので、お腹に傷があります。そのため、オシッコは普通にできても、ウンチをするときはお腹に力が入るので、数日~1週間は痛みが残ることがあります。この場合、抜糸をしてからも痛がるようでしたら、手術後の痛み以外にも何か原因があるかもしれませんので、動物病院で診察を受けましょう。
監修/平野太陽先生(右京動物病院SAGANO院長)
文/hasebe
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
UP DATE