愛犬が多様な芸を覚えたら楽しいな、と思ったことはありませんか?ごほうびをあげながら教えることによって、犬はさまざまな芸を覚えます。今回は、犬の芸と指示しつけの違いやそれぞれの教え方をご紹介。愛犬とのコミュニケーションに役立ててくださいね。
犬の指示しつけと芸の違い
指示しつけ(コマンド)とは?
犬の「指示しつけ」は、飼い主さんや周りの人が快適に過ごすためのものです。愛犬に指示しつけを覚えさせると、愛犬を安全から守るだけでなく、困った行動の予防や改善にもつながります。
そして飼い主さんが指示を出し、犬がそれに応えることによって意思疎通を図ることができ、信頼関係を築くこともできるでしょう。しかし指示しつけは、教えるだけでなく、日常生活の中で使わないと意味がありません。家の中でも外でも、積極的に使うようにしましょう。
犬の芸(トリック)とは?
一方で、犬に覚えさせる「芸」は、できなくても日常生活には全く困りません。代表的な芸に「お手」がありますが、「お手」ができなくても問題はありませんよね。しかし、犬は「達成感」を味わうのが好きな動物。芸を覚えるのも得意なので、披露して飼い主さんが喜んでくれたら嬉しい気持ちになるでしょう。コミュニケーションの一環として、楽しみながら教えることができるといいですね。
基本の指示しつけ4つ|こんなシーンで活用できる!
1. オスワリ
「オスワリ」は、その場で瞬時にお尻をつけて座らせる指示しつけです。愛犬が困った行動をしそうになったときに、「オスワリ」を指示してやめさせます。食事や遊びの前に愛犬の興奮を落ち着かせたり、リードをつけるときや散歩後の足を拭くときに飼い主さんがやりやすいよう、動きを止めたりする目的で行います。
2. マッテ
「マッテ」は、愛犬をその場でじっと待たせるために指示します。愛犬を少しの間かまえないときや、家事などの邪魔をされそうなときには、「マッテ」で静かに待たせましょう。伏せた状態で待たせれば犬も疲れにくく、散歩中に信号待ちをするときなどにも応用できます。トレーニングはほんの数秒からはじめ、徐々に待たせる時間を伸ばしていくのがポイントです。
3. フセ
「フセ」は、お腹と胸を床につけて伏せさせる指示しつけです。オスワリの状態よりも、犬がリラックスしやすい姿勢といえます。興奮を抑えやすく体勢も低くなるため、他の人や犬に恐怖を与えにくくなります。
フセは、飼い主さんが帰ってきたときに飛びつくのを防いだり、ハウスから出したときに興奮して走り回るのを予防したりするときに指示します。お手入れ嫌いの犬が暴れて逃げ出さないようにする効果もありますよ。カフェやお店で長く待たせるときなどは、愛犬用のマットを持って行くと、外でも落ち着きやすくなるでしょう。
4. オイデ
「オイデ」は、離れた場所から飼い主さんのところまで呼び戻すために教えます。愛犬の身を守るためにも、ぜひ覚えさせておきましょう。足元まで来させたら愛犬が離れないように首輪をつかみ、その後ごほうびを与えるのがコツです。
オイデを習得すれば、イタズラをしそうになったときや、他の人や犬に飛びつきそうになったときに、指示して呼び戻すことができるようになります。それ以外にも、散歩中の事故や脱走、拾い食いの防止などにも使えるでしょう。いざというときのために、徐々に距離を伸ばして呼び戻す練習をしておきましょう。
ごほうびおやつの準備方法や効果的な与え方は?
ごほうびは3秒以内にスムーズに!
ごほうびのおやつは、なにか褒めるような動作をした3秒以内に、「イイコ!」などと短い言葉でほめてから与えます。スムーズにあげられるよう、あらかじめ準備しておくといいですね。3秒以上たってしまうと、愛犬はなぜ褒められたのかわからなくなるので注意が必要です。
おやつを持ったまま指示を出すと◎
スムーズにおやつをあげるためには、腰に吊るタイプのおやつポーチなどに、使う分だけ事前に入れておきましょう。指示を出す前にあらかじめ1回分のおやつを握っておき、おやつを持ったまま指示を出すといいでしょう。
人気の芸「バキューン」はこう教える!
「バキューン芸」とは、飼い主さんが手をピストルのような形にして「バキューン!」というと、愛犬がコロンと撃たれたように転がる芸のことです。
上手にコロンとしてくれると、とてもかわいらしいですね!
バキューン芸の覚えさせ方
1. おやつを手に持ってフセをさせます。フセができない場合は、オスワリの状態からフセへおやつで誘導してあげるといいでしょう。
2. 犬の鼻先に、おやつを握った手を持っていきます。飽きやすい犬の場合、少しかじらせるくらいでも大丈夫です。
3. おやつを持った手を、犬の頭の横に回します。うまくいけば犬はおやつを頭で追ってコロンと転がるでしょう。その際、手が犬から離れすぎてしまうと立ち上がってしまうこともあるので、頭だけで追うように手の位置を調節してみてください。
4. 1~3の動きを繰り返すと、少しの手の動きで犬が転がるようになります。そうしたら手をピストルの形にしましょう。なるべく手の形を小さくするとそれらしく見えますよ!
指示しつけを応用したり、芸ができたらおやつを与えたりすることによって、犬は積極的に芸を覚えることができるでしょう。愛犬と楽しみながら色々と試してみてくださいね!
参考/ 「いぬのきもち」特別編集『子いぬと仲良くなる育て方 しつけ編』(監修:「Can!Do!Dog School」代表 西川文二先生)
「いぬのきもち」2016年8月号『愛犬の一発芸、お見せしまshow!』(監修:日英家庭犬トレーナー協会認定トレーナー 中村太先生)
「いぬのきもち」2015年11月号『はじめての愛犬のしつけ・お世話基本のき20』(監修:しつけ教室DOGLY代表 荒井隆嘉先生)
監修/いぬのきもち相談室獣医師
参照/Instagram
文/AzusaS
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