飼い主さんなら誰しも、愛犬に自分の気持ちを伝えて心を通わせたいと思うはず。ほんの少し意識を変えることで、今よりももっと思いが伝わるかもしれません。今回は愛犬に「イイコ」を伝える方法について、獣医師の増田宏司先生に教えていただきました。
口角をキュッと上げて愛犬を見つめて
飼い主さんがなごやかに微笑んでいると、愛犬は安心して「これが正解だ!」と認識しやすくなります。笑顔は歯を出した満面の笑みでなくてもOK。口元をキュッと上げるだけでも十分に伝わりますよ。
声かけは高めのトーンでゆっくりと
犬は高い音の聞きとりが得意なうえ、低い音よりも警戒心をもちにくいため、褒めるときは高めの声を意識しましょう。また、早口になると愛犬が興奮しやすくなるので、意識してゆっくり言うと、さらに伝わりやすくなりますよ。
体をなでるなら首まわりを
なでられることは犬にとって上級のご褒美です。なでる際は、飼い主さんの手が急に愛犬の視界に入ると驚かせてしまうおそれがあるため、横から触れるのがおすすめ。飼い主さんが触れやすい場所でもある首まわりがGOODです。
NGな「イイコ」の伝え方
最後に、飼い主さんがついやってしまいがちな「NGなイイコの伝え方」をご紹介します。
愛犬の顔を両手でなで回す
顔まわりを触られるのが苦手な犬は多く、我慢している可能性も。愛犬が嫌がらずコミュニケーションの一環として行うならよいのですが、「イイコ」の伝え方としてはおすすめできません。
愛犬の全身をワシャワシャする
愛犬の全身をなでて褒めているときは、ほとんどの場合飼い主さん自身が興奮していて、愛犬もつられて大興奮してしまいがち。褒められているという感覚が薄れるのでNGです。
愛犬の前で盛大に拍手する
拍手をすると大きな音が鳴り、愛犬が興奮しすぎて褒めていることが伝わりにくくなります。さりげなく数回拍手する程度ならOKです。
愛犬がいいことをしたら、たくさん褒めてあげたいもの。愛犬とよりよい関係を築くためにも、正しい方法で思いを伝えてあげてくださいね。
お話を伺った先生/増田宏司先生(獣医師 博士(獣医学) 東京農業大学農学部動物科学科(動物行動学研究室)教授)
参考/「いぬのきもち」2023年6月号『あなたの「イイコ」「ダメ」「大好き」ちゃんと届いてる? 愛犬への気持ちの伝え方』
文/柏田ゆき
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。