犬と暮らしていると、犬の健康管理について悩むことも多いですよね。今回は、「犬の涙やけの原因は?」「外耳炎のリスクを高めるお世話は?」「階段の上り下りをしすぎるとダメな理由は?」といった、犬の健康管理の疑問について、王子ペットクリニック院長の重本仁先生に伺いました。
犬の涙やけは「病気」が原因のことが多い
犬の目から涙があふれている状態が続くと、目の下の毛が変色する「涙やけ」を起こします。涙があふれる原因としては、目にゴミや毛が入って起きることもありますが、病気が原因の場合も多いです。
とくに、鼻涙管閉塞(びるいかんへいそく)やアレルギー、眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)などの病気が原因の場合は、治療や処置が必要となります。
外耳炎のリスクを高めるのは?
犬の耳のケアとして、耳の見える範囲の汚れをコットンでふき取るのはOK。しかし、通気性を高めようと飼い主さんの自己判断で耳の中の毛を抜くのは、それが刺激となって炎症を起こすことがあるので避けたほうが安心です。
また、獣医師の指示や指導がないにもかかわらず、犬の耳の中をイヤークリーナーで洗うと、洗浄液が抜けきらないことがあり、外耳炎を誘発するおそれがあります。
階段の上り下りのしすぎは犬の「骨・関節」に負担をかける
散歩中に歩道橋などの急な階段の昇降運動を繰り返すと、犬の足・腰・背骨に負担がかかり、関節を痛める危険があります。とくに胴長犬種は、椎間板(ついかんばん)ヘルニアなどの背骨まわりの病気を招くきっかけになることがあるので、注意が必要です。
過度な運動や自己判断によるケアは、犬の体に負担をかけたり、病気を誘発したりするおそれがあります。愛犬に健康で長生きしてもらうためにも、正しいお世話や健康管理の知識をしっかり頭に入れておきましょう。
お話を伺った先生/重本仁先生(王子ペットクリニック院長)
参考/「いぬのきもち」2024年3月号『愛犬の長生きに、解けば今日から役に立つ!いぬの健康クイズ』
文/宮下早希
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