左右の前足、耳、鼻など、犬は体の左右を使い分けています。犬の体の構造やそれぞれの習性はもちろん、体の利き(=右脳・左脳のはたらき)なども影響しているようです。
そこで飼い主さんにアンケート(※)を行い、シーン別に左右の使い分けがあるかどうかを調査。脳や体の構造との関連性も含めて、獣医師の和田美帆先生に解説していただきました。
※いぬのきもちモニターアンケート(計120人、2025年7月実施)
※この記事では、犬だけでなく人の研究も参照しています。
犬にも左脳派・右脳派がある?
人の場合、左右の脳には論理的思考と感情に関わる4つの“キャラ”が存在し、それらが制御し合いながら個々の性格や傾向を決めるとされています。いわゆる利き手(足)については、左脳が強いほど右、右脳が強いほど左に。これは、犬の場合も同じと考えられています。
左脳派(右利き)の犬の特徴
警戒心が強く慎重です。ときに攻撃的になることがある一方、とても賢く、有能な相棒となりえるでしょう。作業犬をはじめ、群れを統率するオスは左脳派の傾向が強い可能性があります。
“考える”キャラ①:「左脳大脳皮質」
注意力が高く、順序立てて考える思考をもつ。神経質で徹底的にことを成し遂げ、「自分」を重視する傾向に。
“感じる”キャラ②:「左脳大脳辺縁系」
用心深く、融通が利かない傾向がある。個が強く、行動は恐怖心に基づく傾向が強い。
右脳派(左利き)の犬の特徴
大らかな性格で、人やほかの犬のことが好きな平和主義者というイメージ。その半面、トレーニングにてこずる場合も。愛玩犬や、オスの留守番中に協力して群れを守ってきたメスは、右脳派の傾向が強い可能性があります。
“感じる”キャラ③:「右脳大脳辺縁系」
大らかでフレンドリー。相手に信頼を寄せ、集団で分かち合うやさしさをもつ。
“考える”キャラ④:「右脳大脳皮質」
経験や瞬間に基づいた直感的な行動をとる。思いやりがあり柔軟性にも長け、「自分たち」を重視する傾向に。
※参考資料:ジル・ボルト・テイラー『WHOLE BRAIN」 心が軽くなる「脳」の動かし方』(NHK出版)
飼い主さんにアンケート調査!シーン別に見る左右の使い分け
飼い主さんにアンケートを行い、犬の体の左右の使い方について調査。脳や体の構造など何からの影響を受けているのか、和田先生に解説していただきました。
首をかしげるのは左右どっちから?
※いぬのきもちモニターアンケート(計120人、2025年7月実施) 参考・画像/「いぬのきもち」2025年11月号『“使い分ける”のは脳からの影響だけじゃないんです!犬のカラダ 左右の不思議』
犬が集中して相手の話を聞こうとするときにする、首をかしげるしぐさ。ほぼ無意識下での行動であるため、最初にかしげる向きは体の利きが関係している可能性大。また、個々の習性も関係していると考えられます。
音がしたときに動かす耳は左右どっち?
※いぬのきもちモニターアンケート(計120人、2025年7月実施) 参考・画像/「いぬのきもち」2025年11月号『“使い分ける”のは脳からの影響だけじゃないんです!犬のカラダ 左右の不思議』
犬の耳は、耳介の向きからの音を把握し、音のする方角を認識する機能を備えています。そのため体の利きとは関係なく、音のするほうの耳を動かしていると考えるのが自然です。
ニオイをかぐときに先に使う鼻の穴は左右どっち?
※いぬのきもちモニターアンケート(計120人、2025年7月実施)参考・画像/「いぬのきもち」2025年11月号『“使い分ける”のは脳からの影響だけじゃないんです!犬のカラダ 左右の不思議』
嗅覚が優れている犬ですが、じつは“風”がないとニオイをキャッチできません。どちらの鼻の穴も均等に使っていますが、理論的には風に近いほうの穴が先に使われます。
体の左右の使い分けは、脳や犬ならではの体の構造などさまざまな影響を受けています。あらためて愛犬の行動をチェックしてみると、おもしろいかもしれませんよ。
お話を伺った先生/和田美帆先生(獣医師 日本獣医動物行動学会獣医行動診療科認定医 千葉どうぶつ総合病院副院長および動物行動診療科医長)
参考・画像/「いぬのきもち」2025年11月号『“使い分ける”のは脳からの影響だけじゃないんです!犬のカラダ 左右の不思議』
文/柏田ゆき
※この記事では、犬だけでなく人の研究も参照しています。
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。