犬と暮らす
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和室も犬OKな古民家カフェ【穴澤賢の犬のはなし】
そういう意味で犬連れで出かけるのにも何かと制約があるのだが、私が暮らす腰越には犬連れで気楽に行けるカフェがある。その名も『腰越珈琲』といって、江ノ電の腰越駅の近くだが、細い道を少し入ったすごく分かりづらい場所にある。古民家を改装したカフェで、友人でもある「順ちゃん」がやっている。こんなわかりづらい場所でやる気あるのか?と思うが、彼なりにあるらしい。そしてここが、店内オール犬OKなのだ。
「順ちゃん」は少し変わった経歴の持ち主で、生まれは私と同じ大阪。卒業後は普通にサラリーマンをしていたが、サイパン旅行で何かが変わったのか突然仕事を辞めて移住する。その後10年ほどサイパンのホテルで働く。
そして何があったのか知らないが唐突に帰国。生まれ故郷の大阪ではなく、私と共通の友人がいる神奈川・腰越に引っ越して来て、カフェをオープンしたのが4年くらい前。ホテルで鍛えられたのか珈琲には少しうるさい。こう書くとすごく変わったファンキーな奴に思えるかもしれないが、実際は物静かでおっとりしている。
そんなに広くない古民家で和室もあるのだが、犬はソファの上でもどこでもOKになっている。なので、雨でも寒い日でも、安心して犬連れで入れる。また、珈琲などの飲み物だけでなく、ランチも美味しい。私のオススメはホットサンドとひき肉カレーだが、オムライスもあるので、いつもわりと悩む。
それにしてもくつろぎすぎだろう、君。
プロフィール
穴澤 賢(あなざわ まさる)
1971年大阪生まれ。2005年、愛犬との日常をつづったブログ「富士丸な日々」が話題となり、その後エッセイやコラムを執筆するようになる。著書に『ひとりと一匹』(小学館文庫)、自ら選曲したコンピレーションアルバムとエッセイをまとめたCDブック『Another Side Of Music』(ワーナーミュージック・ジャパン)、愛犬の死から一年後の心境を語った『またね、富士丸。』(世界文化社)、本連載をまとめた『また、犬と暮らして』(世界文化社)などがある。2015年、長年犬と暮らした経験から「DeLoreans」というブランドを立ち上げる。
ブログ「Another Days」
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大吉(2011年8月17日生まれ・オス)
茨城県で放し飼いの白い犬(父)とある家庭の茶色い犬(母)の間に生まれる。飼い主募集サイトを経て穴澤家へ。敬語を話す小学生のように妙に大人びた性格。雪と花火と暴走族が苦手。せっかく海の近くに引っ越したのに、海も砂浜もそんなに好きではないもよう。
福助(2014年1月11日生まれ・オス)
千葉県の施設から保護団体を経て穴澤家へ。捕獲されたときのトラウマから当初は人間を怖がり逃げまどっていたが、約2カ月ほどでただの破壊王へ。ついでにデブになる。運動神経はかなりいいので、家では「動けるデブ」と呼ばれている。
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