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犬との暮らし、理想のかたちとは? vol.3【いぬねこ宅の幸せスタイル】

vol.3 犬との暮らし、理想のかたちとは?

「夫と一緒に暮らすきっかけも、実は犬でした」という pas à pas の俵森さんが、犬と暮らしていく中で試行錯誤しながら考えた自分なりのベストな「犬との暮らし」のかたちとは? 歴代の愛犬を振り返りながら伺います。

1匹の子犬との出会い

「20年も前のことですが、あるとき、デートの待ち合わせをした喫茶店の隣がペットショップだったんです。少し早く着いてしまった私は、ふと、ペットショップを覗いてみよう、という気持ちに。

お店に入って動物たちを眺めていたら、係の方が『今日、宮崎から子犬が届いたんですよ』と、ミニチュアシュナウザーの子犬を見せてくれました。もう、ひと目で心奪われてしまって(笑)。とりあえず落ち着こうと、隣の喫茶店に行き、彼に相談しました」
若き日のシュナ。温厚な美男子犬で俵森さんがひと目惚れしたものうなずけます。
(写真提供:俵森明子さん)

子どもの頃から動物が大好きで、実家で飼っていたスピッツのチェリーに始まり、学生時代にはうさぎと暮らしていた俵森さんらしいエピソード。実は、それには続きがあって、その1匹の子犬との出会いが、彼女の人生を大きく変えることになるのでした。

「彼は、わりとすんなり賛成してくれました。そして、それがきっかけで私たちも一緒に暮らすことになり、ふたり+ワン! の生活が始まったんです」

なんともほほ笑ましい。ちなみにその彼とは、Vol.1に写真で登場していただいたご主人の達夫さん。ご夫妻にとっての最初の愛犬は、シュナと名付けられました。
こんなにたくさんいたことも。「おやつだよ、全員集合〜!」
左からハンナ、クワン、真ん中にシュナ、ウィッキー、そしてナジャ。
(写真提供:俵森明子さん)

おしゃれなドッググッズを探して

ふたり暮らし、そしてシュナとの暮らしにも慣れたころ、俵森さんにはどうしても納得できないことが。それはカラーやリードなど「いいな」と思える犬用アイテムがどこを探してもなかったということ。

「当時は『ドッググッズ』なんていう言葉もなくて、リードやカラーも犬を繋いでおくためだけの『実用的なもの』しかありませんでした。丈夫そうだけど、犬にとってはなんだか重そうだったり。人にとって実用的かもしれないけれど、犬にとっては心地よくなかったり。

犬と散歩に行く時に持つバッグなども含めて、犬が、または飼い主が愛犬と一緒に使うモノが、機能的で心地よいデザインのものだったら、犬との暮らしはもっと楽しくなるのに……」
こんなふうにいつもどこかに犬を感じたい。最近はハイセンスなオブジェも。

「シュナにもっとかわいいカラーを付けてあげたい。犬も人も嬉しくなるような、機能的でおしゃれなドッググッズはないものか」

ある日、俵森さんの胸の奥にあったそんな思いを、当時勤めていた会社で話したら、「本当にそうね」と賛同してくれた先輩が。女神現る? 同志も見つかり勢いもついて、「ないなら、自分たちで作っちゃう?」となり、現在に繋がりました。

「その方も愛犬家。私と同じ思いだったと知り、とても嬉しかった。一緒に素材を探したり案を出し合ったり。いろんなことを学びました」

まるで、シュナが導いてくれたよう。人生っておもしろい。
いつもニコニコ心やさしい母さん犬ハンナ。俵森家でナジャとクワンを産みました。
クワンとナジャは仲よし兄妹。ナジャ、クーちゃんの分まで元気で長生きしてね。
(写真提供:俵森明子さん)

健康のため、愛犬のゴハンにこだわる

その後……。シュナも、その次に迎えたハンナ(のちにナジャのおかあさんとなる)も病気で亡くした俵森さん。犬たちの闘病を見守りながら、彼女は「食」を大切にしようと心に決めた。

「人も動物もですが、食べることは生きる基本。安全でバランスのよいものを食べていれば、未然に病気を防げると考えました」

うむー、なるほど。では、その具体的な食生活とは?
俵森さんのお膝の上にシュナ。「あたしんち、ゴハンもおやつもおいしいよ!」

「今のところ、我が家では生の馬肉に生パパイヤや季節の野菜をトッピングして食べさせています。いろいろ試してみましたが、食べさせてから犬たちの疾患が落ち着き、体型や毛艶も変わってきました。酵素が摂れるのもいいですね」

「食に関しての捉え方、考え方はそれぞれだと思いますが、私にとっては今のところこれが一番。この話になると、つい熱く語ってしまう〜」自重気味に笑う俵森さん。そして「我が家のモットーは『目指せ、老衰』なんですよー」
俵森さんのこだわりもあって、お店にはドッグフードやサプリも充実。

「犬にも猫にも命を全うしてもらいたい。できることなら最期まで痛みも苦しみもなくおだやかに」__それが、俵森さんが考える理想のかたち。数匹の愛犬を亡くし、思うことは「時間には限りがある」ということ。だからその日を大切に、犬たちとの時間も心をこめて。

悲しいことは考えたくない、とつい目を背けてしまいがちですが、最高のゴールを目指し「そのためにはどう暮らしたらいいか」、そう考えるのは、犬にとっても飼い主自身にとっても大切なこと。それが命や日々を大事にすることに繋がります。根本を見つめ、地に足をつけた犬との暮らしとは、そういうことなのかもしれません。
「ありがとう、シュナ」13歳で天国へ。晩年の哀愁漂う日なたぼっこ。
(写真提供:俵森明子さん)
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