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人とは違う! 知っておきたいメスの犬の体のナゾと仕組み
犬を飼っている人にとって、愛犬は家族同然の大切な存在ですよね。つい人目線で健康なども考えてしまいがちですが、本能的な行動や体の仕組みなど、人とは異なる要素もさまざま。今回はその中から、メスの体に注目してみましょう。
メスのヒートは、人の生理とは別物!

メスのヒートは出血をともなうため、人の生理と同じようなものだと考えがちですが、実はそのメカニズムはまるで異なっています。
人の場合の生理とは、必要がなくなった子宮内膜がはがれ落ち、血液と共に体外に排出されるもの。
一方メスのヒートは、妊娠の準備のために子宮内膜を厚くした状態で、オスを受け入れる準備ができたサインとして、出血します。
ヒートになると行動に変化が出るのはどうして?
人の生理の場合、生理前に気分が落ち込んだり、生理中にイライラしやすくなったりすることがありますが、犬のヒート前後も行動の変化が見られる場合があります。
個体差はありますが、一般的にはヒート前に元気がなくなる、食欲がなくなるといった変化が見られ、ヒート期に入るとオスを探して動き回る、反抗的になるということもあるようです。これらは人と同じで、性ホルモンの影響で情緒不安定になるからなんだとか。
犬は複数排卵することもある!

人の排卵は一周期の間に一個ですが、メスの場合は2個以上の場合もあります。
犬の子宮は双角子宮(そうかくしきゅう)という左右に二股に分れた形をしているため、一つしか子宮をもたない人とは構造自体が異なるのです。これにより、犬は左右の卵巣で作られた卵子を、左右それぞれの子宮に複数着床させることが可能に。
このような双角子宮は、一般的に多産の動物に見られる構造です。
犬には閉経がない!

人にはある年齢になると生理が来なくなる「閉経」がありますが、メスには閉経に該当することは起こりません。
加齢とともにだんだんと周期が長くなる、周期がずれるなどの変化は起こりますが、避妊していない限り生涯ヒートがきます。
閉経がない犬は、何才まで出産ができるの?
先述したようにメスは生涯ヒートが可能ですので、避妊手術さえしなければ、物理的には生涯妊娠が可能です。
しかし出産は犬の体の負担が大きいため、子犬を産んでほしい場合は体力のあるうちがベター。シニア期とよばれる7才より前にすませておくとよいでしょう。
メス特有の性についての特徴や体の構造などは、愛犬の健康を考えていくうえでも欠かせない要素のひとつです。人とは異なる部分も少なくないため、一度にすべてを把握するのは難しいかもしれませんが、ひとつひとつ確認して、愛犬とのよりよい生活に役立ててくださいね。
参考/「いぬのきもち」2020年2月号『みんななんとなく気になっている性のこと……全部教えます! イヌの性学』(監修:「石田ようこ 犬と猫の歯科クリニック」院長 獣医師 石田陽子先生)
文/kagio
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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