海水浴やキャンプ、川遊びなどのレジャーが楽しい季節、愛犬と一緒に出かける予定を立てている飼い主さんもいるかもしれません。愛犬にとってもふだんとは違う場所でのびのびと遊べるのは、きっと楽しいはず。
しかし楽しい反面、大自然のレジャーには危険もたくさん潜んでいます。安全に過ごして、健康な状態で帰るためには、犬にとって自然の中で起こりがちなトラブルを知っておきましょう。「いつも愛犬とアウトドアを楽しんでいる人」も「初めて愛犬と遠出を考えている人」も、ぜひチェックしてください。
ハチ刺され
夏はハチが攻撃的になる時季です。犬は被毛が多くハチに刺されにくいと思われがちですが、鼻先や耳など被毛の少ない部位を狙って刺されることも。ハチに刺されると、大きく腫れ上がり、痛みを伴うのですぐに動物病院へ。ハチを追い払ったりするとかえって攻撃的になる場合があるので、遭遇したらすみやかにその場から立ち去りましょう。
蛇に噛まれる
夏の山や森ではヘビに遭遇する機会も増え、愛犬がヘビにちょっかいを出して噛まれる危険も考えられます。視界の悪いやぶや林に愛犬が行きたがっても、行かせないようにして。愛犬が毒ヘビに噛まれると腫れや出血が起こる場合があり、最悪命を落とすおそれも。ヘビに噛まれたら、一見元気そうでも急いで動物病院へ連れていきましょう。
ノミ・マダニの寄生
ひどい皮膚炎を引き起こすノミや、人にも感染する病原体を媒介するマダニは、夏の定番トラブル。ノミ・マダニの活動が活発になる3 ~ 12月ごろには予防薬を使用しましょう。錠剤や、皮膚に垂らすタイプなどの予防薬があるので、獣医師に相談して処方してもらうように。愛犬についたマダニを見つけたら、無理に取ろうとせずにすぐに動物病院へ行きましょう。
肉球のケガ
ガラス片、捨てられた釣り針、貝殻、ゴツゴツした岩場など、思わぬもので愛犬が肉球を切ってしまうことがあります。事前に犬用の靴を履かせるとケガ予防になります。愛犬が足を下ろさなかったり、引きずるように歩いたときは肉球を切っているおそれがあるので確認を。切れていた場合は、傷口を水で洗い流し、包帯やガーゼで包み止血して動物病院へ。
雑菌の増殖による皮膚トラブル
水遊び後に被毛を生乾きにしていると思わぬ皮膚トラブルを招くことがあります。川の水質によっては大腸菌などが付着していることもあり、海水の場合は塩分で被毛がベタつくことも。タオルドライだけでは、雑菌が繁殖してニオイのもとになり、皮膚病の原因にもなりかねません。愛犬が川や海に入ったあとは、シャンプー&ドライを心がけて。
海水の飲みすぎによる下痢、嘔吐
海で遊ぶのが好きな犬は多いですが、気をつけたいのが海水を飲んでしまうトラブル。泳いでいるうちに、海水をたくさん飲みこんでしまい胃がふくれたり、塩分が強いので愛犬が吐いてしまうことがあります。一度吐いた程度であれば心配ないですが、そのあとも吐いてしまう場合は、動物病院に連れていき、充分な水分補給をさせましょう。
人も犬も楽しい時間を満喫するためにも、レジャー先でのトラブルをしっかり予防しましょう。愛犬の調子が悪くなれば、すぐに動物病院で相談を。
参考/「いぬのきもち」2019年8月号「愛犬のトラブルガイド in Summer」(監修:南 直秀先生、西川文二先生)
イラスト/YAGI
ピクトグラムデザイン/ohmae-d
文/ichi