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ペットロスの悲しみとどう向き合えばいい? 自身も愛犬を亡くした心理カウンセラーが伝える「心の整え方」

愛犬を失ったときの悲しみや喪失感と、どのように向き合えばいいのか。臨床心理士で、自身もペットロスの経験がある木附千晶先生にお話を伺いました。

<プロフィール>
木附千晶先生:「CAFIC(ケフィック)子ども・おとな・家族の総合相談 池袋カウンセリングルーム」主宰。臨床心理士、公認心理師。16年ともに過ごした愛犬ケフィを亡くした経験から、ペットロスカウンセリングも行っている。近著に『いつかくるペットの死にどう向き合うか』(扶桑社)電子書籍版がある

愛犬が亡くなり、つらい日々を過ごす

ペットロス・看取り相談も受ける、心理カウンセラーの木村先生。
木附先生の愛犬ケフィちゃん(メス/ゴールデン・レトリーバー)は、14才でメニエール病を発症して克服したものの、晩年は闘病生活が続きました。

亡くなる数週間前から立ち上がれなくなり、ほとんど眠って過ごしていたケフィちゃんは、家族に見守られ16才で永眠しました。

「日常生活を送ることはできているのに、ケフィが亡くなって3、4カ月間はとてもつらい時期でした」と木附先生は当時を振り返ります。

駅やスーパーなど、思わぬところで悲しみに襲われ、涙が止まらなくなることもありました。そんなときは、駅のトイレや車の中で泣いたそうです。

自分を否定せずに悲しみを受け止める

「ケフィの耳の飾り毛が好きで、よく触っていました」と懐かしそうに話す木附先生。
そのとき、「私はケフィを思って悲しいのだ」と泣く自分を受け入れていたといいます。

愛犬を失った人のなかには、愛犬の死を悲しむ自分を否定し、早く立ち直ろうと無理をする人もいます。そうすると悲しみはいつまでも心にくすぶり続け、「何もする気が起きない」などの抑うつ状態になることもあります。

「自分で自分の悲しみを受け入れる、それだけで気持ちは落ち着くものです。月日とともに、ふいに悲しみに襲われることも減ってきますよ」

愛犬の老いを受け入れて、心の準備を

ケフィちゃんを失ったことは悲しい出来事でしたが、「ケフィのためにやれることはやったという思いがあるので後悔はない」と木附先生は言います。

先生が主宰するペットロスセミナーを訪れる人のなかには、愛犬の老いや病気の兆候に気づけなかったと後悔したり、罪悪感を持ったりしている人もいます。

「後悔や罪悪感は、『もっとできることがあったはずだ』という思いを強くし、愛犬を失った悲しみを大きくしている」と木附先生。

できるだけ愛犬との生活を後悔しないためには、愛犬の老いや病気を受け入れ、向き合うことが大切といえるでしょう。

「私たち家族が、病気の検査や治療法、介護の仕方など悩みながらも選んだことは、それでよかったと思えます。ケフィのために自分の時間やエネルギーを使いきった、愛しきったという思いが残っているのは幸せなこと。皆さんもペットロスをつらいものにしないために、後悔のないように愛犬と過ごしてくださいね」


参考/いぬのきもち2021年2月号「ペットロスのときの心の整え方 「その日」と向き合うために」(監修:臨床心理士 木附千晶先生 ほか)
撮影/殿村忠博
文/伊藤亜希子
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