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様子見をしないで! すぐに動物病院に行くべき犬の「危険な症状」4つ
この記事では、すぐに動物病院に行くべき犬の危険な症状や、急死しやすい病気の事例について、いぬのきもち獣医師相談室の先生が解説します。
すぐに動物病院に行くべき犬の「危険な症状」4つ
「ここでは例として、4つの事例を取り上げます」
①呼吸が異常に早く、湿った咳をしている→呼吸器や心臓の異常などの可能性も
「犬の呼吸がふだんとは違って異常に早く、ガッガッと湿った咳をしている場合、呼吸器や心臓の異常などの可能性も考えられます。様子を見てしまうと、肺に水がたまる肺水腫などで命にかかわる危険性があります」
②けいれんが起こっている→てんかんや神経の異常、中毒などの可能性も
「けいれんが起こる原因は、てんかんや神経の異常、中毒などさまざまです。けいれんが起きたとき、症状がおさまるまでは愛犬の体に触らずに、静かに待ちましょう。
もし1分以上経過してもけいれんがおさまらない場合は、すぐに動物病院へ連絡してください。様子を見てしまうと脳へのダメージが生じ、後遺症を残したり、最悪の場合は死に至る恐れがあります」
③玉ねぎやチョコレート、殺鼠剤などを食べたあとにぐったりしている→急性中毒の可能性も
「玉ねぎやチョコレートなどの中毒性のあるものや、殺鼠剤など毒性の強いものを誤って口にしてしまったあとにぐったりしている場合、すでに胃に吸収されて中毒を起こしている恐れがあります。そのまま様子を見てしまうのは危険です。
犬が中毒性のあるものを誤って食べてしまわないよう、家の中での管理を徹底しておきたいです」
④電気コードをかじったあとから呼吸が荒い→感電した可能性も
「電気コードなどをかじって感電すると、血管が急激に拡張し肺水腫を起こしている可能性があります。愛犬がイタズラで電気コードをかじらないように、日頃から対策をしておきたいです」
「上記のいずれの場合も、『少し様子を見よう』としてしまうと、愛犬の命にかかわることがあります。何か異変に気づいたときには、すぐに動物病院を受診しましょう」
犬が急死しやすい病気7例
「犬が急死しやすい病気について、ここでは具体的に7つ例を紹介します」
①心臓病
「心疾患の持病がある犬では、季節の変わり目、家の周辺環境、飼い主さんの変化などでも過敏に反応し、些細な出来事も命にかかわることがあります」
②脳疾患
「脳は生命活動をつかさどる器官。脳に異常があることに気がつかずに、病状が進行していることがあります」
③脊椎疾患
「脊椎からは、ひとつひとつ大切な神経が出ています。たとえ小さな異常でも、命にかかわるほどの大きな症状が出てしまうことがあります」
④急性中毒
「犬が食べてはいけないものを口にすることで、急性の中毒を起こし、体調によっては死亡することもあります」
⑤胃拡張・胃捻転症候群
「胃拡張・胃捻転症候群とは、突然発症し胃がねじれて(捻転)しまう病気。急性経過をたどり、ショック状態に陥って数時間で死亡することもあります。たとえば、グレート・デン、ボクサー、ジャーマン・シェパードなど胸の深い大型犬が、食後に急激な運動をすることで多く発生します」
⑥低血糖症
「子犬の時期に食欲不振や、嘔吐・下痢などがあり、一定期間栄養が体に入ってこないと、血糖値が低下しショック状態に陥り、急死してしまう場合があります」
⑦ショック死
「熱中症や感電、交通事故、フィラリアなどによる寄生虫感染でも、ショック状態を引き起こします。犬の体調が悪かったり免疫力が下がっていると、小さなショックでも体にはダメージが残ります」
「犬の急死を防げるかどうかは、できる場合とそうでない場合があります。脳疾患や脊椎疾患などは、飼い主さんが予防するのは難しいかもしれません」
犬の突然死を防ぐために飼い主さんができることは?
「愛犬の体に異変が起こっていないかどうか、ふだんから愛犬の様子をよく観察してみてください。愛犬の毎日の行動を一番わかっているのは、飼い主さんです。ふだんと違う様子に気づいたときには、かかりつけの獣医師に相談しましょう。
また、愛犬が健康なときにも定期的に健康診断を受けておくことも大切です。健康な状態のデータを持っていると、病気の早期発見につながります。愛犬の病気を早期発見できれば、緊急時の対応についても把握しておくことができます。
健康診断の際などには、犬種によって起こりやすい病気などをかかりつけ医に聞いておくと、日頃からより注意して見てあげることもできると思います」
【豆知識】夏場に注意したい熱中症 水や氷の与えすぎには要注意!
「愛犬が熱中症にならないためにと、飼い主さんはさまざまな工夫をすることだと思います。
ただ、愛犬に水を飲ませすぎてしまったり、氷を食べさせすぎたりすると、内臓が冷えすぎて下痢をしたり、下痢が治らなかったり、食欲がなくなることがあります。熱中症対策も度が過ぎると、水でさえも調子を悪くしてしまいます。
暑くないように気をつけてあげるとともに、体の冷えすぎにも注意しましょう」
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/sorami
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