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体の機能が低下している可能性も! 秋に出やすい犬の未病とケア方法

秋に起きがちな犬の体調不良「未病(みびょう)」。「だるい」「冷える」などの健康から病気に近づいていく状態のことで、病気へ移行させないよう早めに対処することが大切です。

そこで今回は、秋に出やすい犬の未病とそのケア方法について、獣医師の畦元香月先生に伺いました。

秋に未病があらわれやすくなる原因とは

ぺたんと伏せる中型Mix犬
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

原因1:夏疲れによる免疫力の低下

一日の大半をエアコンの効いた室内で過ごすことが多い夏は、体の冷えや、室温と外気温の差による自律神経の乱れ、運動不足による代謝の低下によって免疫力が低下してしまいます。この状態で秋に突入すると、体はさらにダメージを受けることに。

原因2:秋特有の気候の変化による免疫力の低下

夏の疲れによる免疫力低下を引きずって秋をむかえると、寒暖差や乾燥した空気などの秋特有の気候に自律神経が乱され、ますます免疫力が低下する状態になります。それにより、「なんとなく」体調が悪いという未病の症状が出やすくなるのです。

秋に出やすい未病(1)足先や耳の先が冷たい

手足を伸ばすトイ・プードル
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
足先や耳の先など体の末端が冷たいときは、体全体が冷えて不調になりやすくなっている状態で、未病の一歩手前といえます。放っておくと、胃腸炎など消化器のトラブルに直結しやすいほか、外部からのウイルスや菌などの影響を受けやすくなることもあります。

犬の居場所が冷えすぎていないか室温を確認したり、毛布などあたたかい敷物を置いたりするなど、環境を再チェックしてみてください。

足三里のツボを押して冷えのケアを

参考・写真/「いぬのきもち」2025年9月号『夏の疲れをこじらせない!夏から秋の未病図鑑』
参考・写真/「いぬのきもち」2025年9月号『夏の疲れをこじらせない!夏から秋の未病図鑑』
足腰の冷えをケアするときは、後ろ足の外側、ひざのすぐ下のくぼみにあるツボ・足三里(あしさんり)を指で左右10秒×5回ずつ、力を入れずにやさしく押して刺激しましょう。消化機能や腎臓機能のサポートなどの効果も期待できます。

このほか、体を温めて血の巡りの改善をすることも大切です。

秋に出やすい未病(2)肉球がカサカサ

ソファでくつろぐ小型Mix犬
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
肉球が乾燥しているときは、うるおい不足のサインです。犬の皮膚の厚さは人よりうすいので、秋の乾燥した空気の影響を受けやすいです。そこに花粉やホコリも加わって、皮膚バリア機能が低下している可能性もあります。

放っておくと、細菌や寄生虫などの刺激に弱くなって皮膚炎を起こしたり、花粉やハウスダストなどへのアレルギー症状が出たりするおそれもあります。

保湿剤を使って皮膚のうるおいをキープしよう

皮膚についた花粉やホコリなどを洗い流すことも大切ですが、皮膚のバリア機能を高めるには、保湿剤を使い皮膚のうるおいを保つことがとても重要です。

秋に出やすい未病(3)寝ている時間が増える

眠るジャック・ラッセル・テリア
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
睡眠には体の機能回復を担う役割があります。この時季によく寝るのは、体力や消化機能などが低下した未病の状態から回復しようとしているから。食べ物の消化にエネルギーを消費するため、食後に眠りやすくなるケースもあるようです。

放っておくと体力の低下や、消化器の機能が弱くなるおそれがあるほか、深刻な睡眠障害を引き起こす可能性もあります。質のよい睡眠時間を確保することが未病ケアにつながります。

飼い主さん自身の睡眠の質を見直して愛犬の睡眠の質を上げよう

良質な睡眠は免疫力を高め、健康な体を維持するのに大切です。犬は飼い主さんのペースに合わせて生活する動物のため、飼い主さん自身が良質な睡眠をとるようにすると、おのずと愛犬の睡眠の質も上がっていくことが多いです。

さらに、良質な睡眠に欠かせないメラトニンの分泌を促すために、愛犬が寝る部屋は暗くし、朝は早めに起こして朝日をしっかり浴びさせることもポイントです。

秋に出やすい未病(4)散歩中の足取りが重い

散歩する柴犬
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
免疫力が影響する未病とは異なりますが、“歩けなく”なってしまう犬が多くなるのもこの時季。暑さで散歩を控えた影響で筋力が低下し、関節の可動域が狭くなり、曲げ伸ばしがしにくくなっている可能性があります。

放っておくと、秋になって急に散歩時間を長くすることで関節炎を起こしたり、膝蓋骨(しつがいこつ)脱臼やヘルニアなどが再発したりすることもあります。

マッサージで足をほぐして可動域を広げて

散歩前のウォーミングアップとして足のつけ根からほぐすと、足が温まり、関節の動きがなめらかになります。足のつけ根をやさしく握り、左右に回すようにさすりながら足先に向かって移動させましょう。四肢すべてに10回ずつ行ってください。
未病に気づいて早めに対処することが、病気を防ぐことにつながります。愛犬にいつもと違う様子がないか、ふだんから気をつけてあげましょう。
お話を伺った先生:畦元香月先生(「アニマルリハクリニックかつき」院長 獣医師 国際中医師)
参考/「いぬのきもち」2025年9月号『夏の疲れをこじらせない!夏から秋の未病図鑑』
文/宮下早希
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。
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