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しつけインストラクターが愛犬と真っ先にやる遊びとは?|連載・西川文二の「犬ってホントは」vol.87
今回は、愛犬との遊びに関するお話。西川先生が最もおすすめするのが「引っ張りっこ」です。なぜ最もおすすめするかというと、この遊びをしてもらった犬は、飼い主さんのことがまずます好きになるから。西川先生がレクチャーする引っ張っこの正しいやり方、必見です(編集部)。
楽しく、かけがいのない存在になれれば、犬からの視線をいっぱい浴びることができる。
飼い主によく注目する犬と、注目されている飼い主両者に、幸せホルモンは増えるわけですから、飼い主との遊びはとても重要な事柄のひとつとなります。
遊びのなかで、引っ張りっこ遊びは別格です。
引っ張りっこ遊びを通じて、犬の噛みつき欲求を満たすことができる。エネルギーの発散ができる。
適切な引っ張りっこ遊びは、くわえているものを合図で離す、そのトレーニングができる。
適切な引っ張りっこ遊びを通じて、飼い主は犬の興奮を上手にコントロールできるようになる。
ということで、今回は「適切な引っ張りっこ遊び」の仕方、そのご紹介。
初期の段階では、おもちゃは大きめ、リードはつける
万が一おもちゃが飼い主の手から離れ、犬がそれくわえて逃げたりできないように、遊ばせ方の一連の流れが身につくまでは犬にリードもつけます。
おもちゃは、小動物が逃げる動きをイメージし地面を這わせる。急に止めたり、飼い主の体の後ろに隠したり、追いかけて噛みつきたくなるように動かす。
犬がおもちゃに噛みついたら引っ張る。
犬は取られまいとして、引っ張り返す。
唸りながらおもちゃを手前に引きちぎるような動き、左右に振るような動きを見せてきたら、おもちゃを持ってない方の手にフードを握り込み、その手を犬の鼻先近づけフードの匂いをかがせます。
フードが欲しければ犬は口を緩めますから、おもちゃを口から抜くことができます。おもちゃを離したら、フードを与える。
遊びの再開は、犬が落ち着いたら、です。
おもちゃを犬がゲットできない高さに持ち見せて、犬が座るのを待ちます。
座ったら、ゲーム再開です。
以上を繰り返し、犬の噛みつき欲求を満たすと同時に、犬のエネルギーを発散させます。
「チョウダイ」が教えられる
先行刺激(合図)→行動→結果(いいことが起こる)というパターンを繰り返すと、先行刺激(合図)に反応して行動を起こすようになる。それが三項随伴性に則った合図の教え方でした(当コラム20、45、46、48を参照のこと)。
「フードとおもちゃをすぐに交換する」=くわえているものを離す→いいことが起こる=「行動→結果(いいことが起こる)」
そこに、「チョウダイ」の先行刺激(合図)をつける。
するとやがて「チョウダイ」の言葉がけに反応して、くわえているものを離すようになる。そういうことです。
離したおもちゃは、犬の口が届かないところにかかげます。そして、犬が落ち着いたら(具体的には座ったら)遊びを再開する(=座るといいことが起こる)。
いいことが起こる行動の頻度は高まりますから、興奮状態の時に一旦落ち着こうとする「クールダウン」の回路が脳にできてくるということ。
繰り返すことで、興奮のコントロールのできる犬になっていくわけです。
楽しい遊びの始まりも、おしまいも、「決めているのは飼い主」を伝える
飽きるほど遊ばせた場合、最後に残るのは「つまらなかった」という記憶です。次の遊びに対するモチベーションは下がります。
一方、もっと遊びたかったという印象を最後に残せば、次の遊びも高いモチベーションを維持した状態で始められます。
そして、遊びを終えたら、おもちゃはちゃんとしまう。
おもちゃを出しっぱなしにするのは、いつでも犬が勝手に振り回して遊べる状態、「飼い主なんていなくても楽しいもん」となってしまうからです。
ちゃんとしまうことで、あの楽しい遊びは、飼い主がいないと始まらない。飼い主は楽しいかけがいのない存在、そう犬に感じさせることができるのです。
以上、駆け足ではありますが、「適切な引っ張りっこ遊び」の仕方をご紹介しました。
まずは早速お試しを。
写真/Can! Do! Pet Dog School提供
https://cando4115.com/index.html
西川文二氏 プロフィール
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