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最近増えている犬の「マスクの拾い食い」、誤飲誤食を防ぐ方法とは|連載・西川文二の「犬ってホントは」vol.134
西川先生によると、最近は犬がマスクを拾い食いして、重篤なケースに陥る例が増えているそう。今回は、拾い食いを防ぐ歩き方をレクチャーします。使っているリードの見直しも重要! 拾い食いを助長させるリードを使っているおそれもありますよ!(編集部)
毒性のあるものや消化器系に詰まってしまうもの、消化器系を傷つけてしまうものなどは、速やかな処置が必要となる。場合によっては命を落とすこともあるわけです。
さて、この誤食・誤飲するもの。
聞くところによるとこのコロナ禍、言われてみればなるほどというものが増えてきたそうです。
それは何かというと、マスク。
マスクを食べてしまって、病院に駆け込まれる。
なかには開腹手術が必要となるといったケースもあるそうです。
そうした大事態にならないように。
拾い食いを防げるトレーニングを、日頃から行っておきましょう。
散歩の道具類、リードの持ち方から見直す
行きたいところに行けるので、飼い主に集中して歩けるようにもなりません。
一般のリードも輪っかの部分を手首に突っ込んで持っていれば、これまた拾い食いを防ぐことは難しくなります。
普段はリラックスができ、拾い食いをしそうになったら、それを防げる位置「セーフティグリップ」を持つことです(「セーフティグリップ」って何? という方は過去コラムVol.89をご覧ください)。
そして、拾い食いをしそうになったら「セーフティグリップ」を握った手を自身のみぞおちあたりにピタッとつける。
これで拾い食いは防げます。それも、犬の首に必要以上のショックを与えることなく、です。
ただ背中側にリードがつくタイプの胴輪を装着している場合は、背中を丸めることで拾い食いができてしまうので、この方法でも防げません。
整理します。
伸びるリード及び背中側にリードがつくタイプの胴輪はNG。散歩は首輪とリードの組み合わせで、リードを持ち位置は「セーフィグリップ」。そしていざというときに、「セーフティグリップ」を握った手を自身のみぞおちあたりにピタッとつける姿勢に、それも瞬時に移れるようにトレーニングしておく。それが、拾い食いを防ぐ「いろはのい」といえるのです。
フードの魅力で落ちているものをやり過ごす
次に紹介するのは、フードを握り込んだグーの手に集中させ、落ちているものに気づかせない、落ちているモノへの執着を外す方法です。
フードを握り込んだグーの手に鼻をつけるとフードがもらえる。
マグネットと呼んでいる基本トレーニングですが、何か落ちていたら犬がそれに執着をみせる前に、そのマグネットで犬の集中をとる。
落ちているものから視線を外させる。
ただ、先の物理的な方法も、このマグネットでの回避方法も、それを行い続けることはあまりスマートではありません。
ではスマートな方法とは何か。
それは、飼い主を見上げて歩くことを教え、それを定着させていくことです。
歩く前の予備トレーニング
①犬の鼻先が地面につかないように、「セーフティグリップ」を握った手を自身のみぞおちあたりにピタッとつける。
②次に、犬の足元にフードを落とす(協力者がいれば犬の足元にフードを置いてもらう)。
③犬はフードを口にしようとするが、絶対に口にさせないようにして、飼い主を見上げるまで待つ。なかなか見上げない場合は口笛、舌打ちなどの音で見上げるきっかけづくりをする(名前を呼ばれたから見た、としないため名前は呼ばない)。
拾おうとしても拾えない、拾うのをあきらめて見上げるとフードがもらえる。
結果的にいいことが起きない行動は減っていき、いいことが起きる行動が増え習慣化していく。繰り返しトレーニングしていると落ちているフードに執着する時間が少しずつ短くなり、やがてフードを落としてもフードに目を向けないようにもなっていきます。
そこまでできてきたら、いよいよ歩くトレーニングに進めます。おっと、またもや文字数制限という大人の事情が……。
ということで、スマートな回避方法、拾い食いを防げる歩き方のトレーニングは、今回も次回へ持ち越しということに。
西川文二氏 プロフィール
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