犬と暮らす
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リードをつけていない大型犬に遭遇!どうすればいい!?|連載・西川文二の「犬ってホントは」vol.133
怖そうな大型犬が脱走したというニュースがたびたびありますが、もしあなたが出くわしたら、どうすればよいのでしょうか。保護する? 逃げる? 噛まれずに必要なところに連絡をするまでの、対応のしかたを西川先生が解説します(編集部)。
そうした質問を受けました。
もちろん、千葉でドーベルマンが逃げる、といった事件があったからです。
ドーベルマンには怖いイメージがあるのでしょうね。
確かにドーベルマンは、ガードドッグのトレーニングを行うと飼い主の指示で他者を攻撃するようにもなるのですが、社会化期から家庭犬のトレーニングを行えば、攻撃性など見せないコンパニオン・ドッグにも育てていける。
そう、ドーベルマンが皆噛むわけではないのです。
とはいえ、万が一噛まれた際の被害は大きい。
ということで、今回はドーベルマンに限らず逃げた大型犬と遭遇した際に、噛まれないためにはどうしたらいいかをお話しましょう。
(もともと、犬の扱いにそれなりに自信がある方は、ここに記す限りではありません。保護をして行政に連絡を)
どんな犬でも攻撃的になることはあり得る、と考える
噛まないかも知れないけど、噛むかもしれない。
リスクを軽減するためには、噛むかもしれないと常に考えることが重要です。
噛まれないためには何をすべきかで、何をしてはいけないか。
まずは、犬が突進してきても噛まれる前にフェンスのある場所に逃げ込める、木や塀など犬が登れない高さに逃げることができるのであれば(その自信があればの話ですが)、その方法を取ることです。
(身の安全を確保できたら、行政に連絡を)
やってはいけないことは、あわてて逃げようとすること。
逃げる相手を追いかけて噛みつきたくなる習性が、犬にはあるからです。
しかも、犬はあなたよりも確実に早く走れる。
悲鳴を上げるものNGです。
その声に驚き、犬のストレスを増大させる可能性があるからです。
カーミングシグナルを発する
視線を合わせない、向き合わない(犬に対して横向きになる)、犬が背を向けてどこかに立ち去るまでじっとしていること。万が一犬が近づいてきたとしても同様、とにかく動かないこと。
もちろんこの方法で、絶対に噛まれないとはいえません。
ただ少なくとも、それ以外の方法よりも噛まれるリスクは軽減できる。そういうことなのです。
それと噛まれたときの被害を最小にするために、指は隠すこと。手はグーにし、ゆっくりと腕を組んで脇の下にそのグーの手を隠すことです。
犬はあなたの匂いを嗅ぐかもしれませんが、犬が背を向けて遠ざかるまでひたすら動かないことです。
(こちらも、もう大丈夫という状況になったら行政に連絡を)
子どもたちにも伝える
子どもたちには、電信柱になりましょう。もしも転んでしまったら、倒れた木になりましょう、と伝えます。
電信柱にも倒れた木にも、犬は噛みつこうとしません。
とにかく動かない、コレが重要なのです。
しかし今回の事件でいい迷惑なのは、怖い犬の代表みたいに注目されてしまったドーベルマンたち。
最近のドーベルマンは、ガードドッグのトレーニングをされている犬は少ないですからそんなに怖がらなくていい。というか、断耳をしていない最近のドーベルマンたちは、見た目も愛くるしい。
少なくとも、私の知っているドーベルマンたちはみんなかわいくて優しい!ですよ。
西川文二氏 プロフィール
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