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犬・猫と暮らすこと でかおの絵本について【穴澤賢の犬のはなし】

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犬・猫と暮らすこと Vol.5 でかおの絵本について

私事ですが、僕は昨年『明日もいっしょにおきようね 捨て猫でかおのはなし』という絵本をつくりました。顔がでかいから「でかお」と名付けられた猫と、ノリコさんの実話を元にした絵本です。すでに読んでくださった方もいるかと思いますが、今回はこの絵本に込めた願いなどについて語ってみたいと思います。5回目にしていきなり「猫のはなし」になってるやん、と思うかもしれませんが、犬にも関係があるので少々お付き合いいただければ幸いです。

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なぜ絵本にしたかったのか

きっかけはあるウェブ媒体でした。知り合いを通じて「奇跡の猫がいる」という話を耳にして取材に訪れたのでした。実際に話を聞いて、でかおにも会って、それを記事にまとめたのが2010年の夏のこと。でもそれだけでは、なんだかもったいないような気がしたのです。というのも、インターネットの性質上、たとえ話題になったとしても一過性のものだから。だから、何かの形にして残したいと思っていました。

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ネタバレになりますが「でかおのはなし」とは、簡単にいえば「保健所で殺されかけたけど奇跡的に助かった猫の物語」。文章にすればたった一行の話です。でもそこには、今のペットブームや、その影にある殺処分問題、少しでも不幸な犬猫を減らそうとボランティアで活動する人たち、仕事だからと仕方なく日々の業務をこなす保健所の職員の気持ちなど、さまざまな要素が絡んでいるように思えたのです。

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僕は人には冷たいですが、犬や猫にはわりかし優しい人間です。なので、人間の都合だけでわけもわからず殺されている犬や猫が不憫で仕方ない。少しでもそうした不幸な犬や猫を減らしたい。そのためにはどうすればいいんだろうかと考えたりすることがあります。

ただ、こういう問題に心を痛めているのは、たいてい犬猫好きで、自分が一緒に暮らしている犬猫を捨てたりなんかしない人なんですね。平気で捨てたりする人には、いくら言っても届かない。そんなジレンマがずっとあったのです。

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そこで、絵本ならどうだろうと考えたのです。絵本だったら子どもでも読める。子どものうちに捨てられた犬猫がどういう運命を辿るのか知っておけば、将来無責任な飼い主にはならないんじゃないだろうか。もちろん大人にも読んでもらいたいけれども、やはりジレンマがつきまとう。だったら、犬猫好きの大人が子どもに読ませてあげればいいんじゃないか。正直、わからない大人はもういい。だけど子どもなら、それがたとえ10年先になろうが、不幸な犬や猫が減るきっかけのひとつくらいにはなってくれるんじゃないか。

かといって、悲惨な話を読ませて悲しい気分にもさせたくない。幸いでかおの話はハッピーエンドなので、ちょうどいいんじゃないだろうか。そんな思いから、でかおの絵本を作りたいと思っていたわけです。

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とはいえ、絵本なんか作ったことがないし、絵も描けないから、たぶん実現することはないだろうとほとんど諦めていたのですが、ひょんなことから興味を持ってくれる編集者と出会い、さらに「猫さえそばにいれば私は何もいらない」と豪語するイラストレーターの「竹脇麻衣さん」とも偶然出会い、そして富士丸がきっかけで付き合いがはじまった「まこという名の不思議顔の猫」の飼い主でもある岡優太郎さんにアートディレクションをお願いし、ついにこの絵本が世に出ることになったのでした。

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通常、本をつくるときは文章、絵、編集、デザインとそれぞれの役割をこなすだけですが、今回はデザイナーが絵に注文をつけたり、イラストレーターが文章の指摘をしたりとみんなで何度も打ち合わせを重ねながら作りました。絵本に込めた思いはみんな同じだったため、奇跡的に助かった猫をことさらに強調して感動的する、といった手法はとっておりません。最後まで読んでもらえれば、この絵本で伝えたかったことがわかっていただけるのではないかと思っています。

そうそう、タイトルの「明日もいっしょにおきようね」とは、竹脇さんが子どもの頃、夜、電気を消す前にいつもお母さんが言っていた言葉だそうです。犬や猫は人より寿命が短い分、本当にそう思います。

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というわけで、長々と自分の本の宣伝をした感じになってしまいましたが、この絵本は少しでも多くの人に読んでもらいたいと思っているので、これからも胸を張って宣伝していくつもりです。読んで共感してくださった方は、誰かにすすめたりしてくれると嬉しいです。どうぞよろしくお願いします。

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絵:竹脇麻衣、文:穴澤賢/草思社

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