大統領や首相など、国のトップのその多忙な業務を支える存在として、官邸で犬が飼われるのは珍しいことではありません。オバマ元大統領やフランスのマクロン大統領が有名です。
ところで、イギリスでも首相官邸にて犬が飼われているのを知っていますか?
犬と猫の共存に不安も……
その犬とは、正確には首相官邸のお隣にオフィスを構える財務大臣の犬で、ウェルシュ・テリアのレックスと、ワイヤーヘアード・ダックスフントのオスカー。
彼らは首相官邸のあるダウニング街10番地と、財務大臣のオフィスである11番地を自由に行き来していました。
イギリスの首相官邸といえば、猫が雇われていることで有名です。そう……気になるのは、10番地に住む動物としては先輩にあたる
“首相官邸ネズミ捕獲長”こと猫・ラリーと犬たちの仲!
ウェルシュ・テリアもダックスフントも猟犬ですし、特にウェルシュ・テリアは狩猟能力が高いため、同居が始まった当初はラリーの身が案ぜられました。
犬がまさかの「避難」の事態に
しかし、その心配はいりませんでした。むしろ、心配されるべきは「犬」のほうだったのです…!
イギリスの大手新聞デイリー・メールとテレグラフ紙によると、官房長官のハモンド氏が自分の犬たちを「ラリーから守るために」11番地に閉じ込めなければいけなくなったと、友人に愚痴をこぼしたことがわかっています。
もともと猫のラリーは、ご近所の猫たちからも恐れられるほど「凶暴」なことで知られているのですが、実は犬に対しても乱暴だったようです。
テレグラフ紙の報道だと、犬が直接被害を受けたのかどうかについては明かされていませんが、ラリーが2匹の犬のことを「不快に思っている」のだとか。
官房長官の友人によると「犬は自由に歩き回れません。だって猫は“どこにでもいる”から」ということで、国家の中枢を担う大臣たちは、国政のみならず、犬と猫の共存にも頭を悩ませている様子です。
隠れてばかりじゃいられない!?
とはいえ、ラリーの存在感が増すばかりでは、犬としてはおもしろくありません。凶暴な猫からの隔離生活に不満を抱えた結果、財務大臣の奥さんが犬専用のインスタグラムアカウントを開設したところ、一時は600人のフォロワーを抱えるほどの人気アカウントに!
しかし、このアカウントは「11番地の犬」であることは伏せて運営されていました。おそらくですが、身元がバレてしまったためにこのアカウントは非公開になってしまい、現在見ることができる人もごく限られています。
そのため、ワンちゃんたちの近況はわかりませんが、もしラリーと大げんかが起きたらきっといろいろな新聞社が取り上げることになるので、ニュースがないのは良い便りかもしれませんね。