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冬の八ケ岳もいい でも注意点もある【穴澤賢の犬のはなし】

先代犬の「富士丸」と犬との暮らしと別れを経験したライターの穴澤賢が、
数年を経て現在は「大吉」と「福助」(どちらもミックス)との暮らしで
感じた何気ないことを語ります。

鎌倉市腰越から八ケ岳にある山の家に完全移住して3週間ほど経つが、困ることは何もない。なぜならこの前書いた通り、5年ほど2拠点生活をしてきたから、道も分かるし、どこで何が売っているかも知っている。近いスーパーでも車で20分ほどかかるが、そんなことにも慣れている。むしろ、渋滞がないから要する時間がちゃんと読める。だから暮らしに不便は感じない。

引っ越し後の大福の反応は?

犬たちはどうかというと、散歩コースには緑があるし、車で5分ほどのところに『八ケ岳自然文化園』があり、気持ちのいい林道なんかもあるから腰越にいるときより快適だろう。
気候はどうかというと、風の強い日は少なく、晴れれば日中は11月末でもポカポカしている。すでに朝晩はストーブをつけているが、寒冷地仕様のFF式(強制給排気<Forced Draught Balanced Flue>の略)ストーブのおかげで室内は暖かい。これから冬本番だが、冬は何度も経験しているので不安はない。
八ケ岳の標高1400mとなると、冬の寒さは厳しいんじゃない? と思うかもしれないが、実はそれほど大変でもない。たしかに、真冬の朝晩はマイナス15℃くらいになる日もあるが、風がないせいか、それほど寒くは感じない。防寒着をしっかり着ていることもあるかもしれないが、都会のビル風のほうがよっぽど寒く感じる。
さらに、標高が高くてもこの辺りは雪国ではない。ひと冬に4回くらい積もるが、せいぜい10〜15cm程度で、膝まで積もることは稀だ。何より寒くても空気がキンとしていて心地いい。実は、冬の八ケ岳もすごくいいのだ。
夏の八ケ岳は犬にとっては最高だが、できれば冬も犬と遊びに来て、それを体感してみてほしい。寒さに強い犬種なら、きっと大喜びするだろう。

冬の八ヶ岳の注意点は?

ただ、冬に八ケ岳に来るとしたら、いくつか注意点もあるので、それを書いておこうと思う。
まず、車は4WDでスタッドレスタイヤを履いていることが必須となる。雪が降っていなくても、朝晩は路面が凍結していることがあるからだ。ノーマルタイヤのFFやFRで来るのは絶対に避けてほしい。道路は大丈夫でも、橋の上が凍結していることもあるので。
さらに、標高1200m以上は、天気予報と全然違うこともある。たとえば、長野県の最低気温が1℃だったとしても、この辺りは氷点下だと思った方がいいし、麓の方では晴れていても、局地的に雪がちらついているなんてこともよくある(積もらないけど)。
八ケ岳に行くためだけに、都会では必要のないスタッドレスタイヤに履き替えるのが大変な場合は、レンタカーを使えばいい。レンタカー店に4WDのスタッドレスタイヤとオーダーすればあるはずだから。私も冬に物件を探しているときはレンタカーだった。
もうひとつは、夜道を走るときは、動物に注意すること。夜道に限らないが、夜の方が道路の真ん中に鹿がいる確率が高い。鹿だけではく、キツネ、タヌキ、ウサギが、いつ出てくるか分からないと思っておいたほうがいい。街灯も少なく、車のヘッドライトだけが頼りだから、いくら空いていてもスピードは出さないほうがいい。
たとえば時速60km以上で走っていたとして、突然脇から鹿が出てきたらまず避けられない。無駄に動物を殺したくはないし、鹿と激突したら車が廃車になることもある。だから昼も夜も運転するときは注意してほしい。
あとは、スキー場に行くくらいのつもりで厚着しておくこと。暑ければ脱げばいいだけなので。寒いのに着るものがないほうが困る。
それくらいかな。そのあたりだけ気をつければ、冬の八ケ岳を堪能できると思う。ぜひ犬を連れて訪れてみてね。



プロフィール
穴澤 賢(あなざわ まさる)
1971年大阪生まれ。2005年、愛犬との日常をつづったブログ「富士丸な日々」が話題となり、その後エッセイやコラムを執筆するようになる。著書に『ひとりと一匹』(小学館文庫)、自ら選曲したコンピレーションアルバムとエッセイをまとめたCDブック『Another Side Of Music』(ワーナーミュージック・ジャパン)、愛犬の死から一年後の心境を語った『またね、富士丸。』(世界文化社)、本連載をまとめた『また、犬と暮らして』(世界文化社)などがある。2015年、長年犬と暮らした経験から「DeLoreans」というブランドを立ち上げる。

ブログ「Another Days」
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大吉(2011年8月17日生まれ・オス)
茨城県で放し飼いの白い犬(父)とある家庭の茶色い犬(母)の間に生まれる。飼い主募集サイトを経て穴澤家へ。敬語を話す小学生のように妙に大人びた性格。雷と花火と暴走族が苦手。せっかく海の近くに引っ越したのに、海も砂浜もそんなに好きではないもよう。

福助(2014年1月11日生まれ・オス)
千葉県の施設から保護団体を経て穴澤家へ。捕獲されたときのトラウマから当初は人間を怖がり逃げまどっていたが、約2カ月ほどでただの破壊王へ。ついでにデブになる。運動神経はかなりいいので、家では「動けるデブ」と呼ばれている。
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