1. トップ
  2. 犬が好き
  3. 連載
  4. 穴澤賢の犬のはなし
  5. 八ヶ岳の今年の雪とキッチンリフォーム【穴澤賢の犬のはなし】

犬が好き

UP DATE

八ヶ岳の今年の雪とキッチンリフォーム【穴澤賢の犬のはなし】

先代犬の「富士丸」と犬との暮らしと別れを経験したライターの穴澤賢が、
数年を経て現在は「大吉」と「福助」(どちらもミックス)との暮らしで
感じた何気ないことを語ります。

今年の八ヶ岳は、雪が少ない。決して雪国ではないが、それでもひと冬に4、5回は積もる(標高1400メートル)。積もっても最大で膝下くらいで、だいたいは20センチほどだが、今年は2月になるのにまだ一度も積もっていない。

雪が降らないと大福は残念?

雪が積もると車の運転に気を遣うし、駐車場から出るのに雪かきしないといけないから(別荘地なので道路は雪かきしてくれる)私は降らない方がうれしいけれど、大福はちょっと残念がっているかもしれない。
20センチも積もれば、彼らは大喜びで駆け回る。特に福助は鼻から雪に突っ込む「鼻ズボ」をしたり、仰向けになってズリズリ下ったりしている。何がしたいのか分からないが、とても楽しそうだ。なのに今年はまだ一度も「鼻ズボ」ができていない。
話は変わって、キッチンをリフォームすることになった。本当は風呂よりトイレより何よりキッチンをリフォームしたかったのだが、さまざまな事情で後回しになっていた。
築50年の風呂もトイレもキッチンも、別荘でたまに来るならまだ耐えられたが、定住するとなると問題だ。特に私は料理担当だから、低くて腰が痛くなる汚い昭和キッチンを早くなんとかしたかった。
風呂と汲み取り式のトイレのリフォームは完了したが、やっとキッチンの番がやってきた。当初はシステムキッチンを入れるつもりで設備店からカタログをもらって検討していたが、大工さんから「そうするとキッチンだけ妙に浮くけど、それでいいの?」と言われ、たしかにそうかもと思った。
全体的に山小屋をイメージして補修してきたのに、キッチンだけピカピカになるとそこだけモデルルームみたいになる。そこで考えを改め、シンクとガスレンジ、換気扇だけ設備店に発注し、あとはすべて大工さんに作ってもらって、天板を磨いて塗装するのを私が担当することになった。

リフォーム工事と心配点

キッチンをリフォームするということは、その間かなり不便になるから1週間ほど旅行にでも行こうかと思ったが、仕事もあるし、せっかく行くならもう少し暖かくなってからにしたいと、住みながら決行することにした。
料理はできないが、その間は惣菜や外食でしのぐしかない。それでもトイレをリフォーム中の、外の仮設トイレだった時期に比べたら楽だ。
残る課題は、音だ。おそらくキッチンを取り壊すとなると、ガンガンドンドン音がする。となると、ビビリではないが音には敏感な大吉は、怯えてガクガクブルブル状態になる可能性が高い。それを考慮して、取り壊しの数日は妻の実家に避難してもらうことにした。
そして現在のキッチンをスッカラカンにして、リフォームが始まった。予想通り、取り壊す過程で、大きな音が仕事部屋まで響いてくる。あぁ、避難させておいてよかった。
と安堵していると、日曜日(2/2)に雪が10センチほど積もった。でもその雪は月曜の陽気でほとんど解けたが、火曜日にはまた雪で今度は15センチほど積もった。
そしてこれを書いている水曜日も外は雪だ。この分だと20センチ以上積りそうだ。日曜まで大寒波が続くらしいので、もっと積もるかもしれない。これなら「鼻ズボ」するには十分なのに。なんでこんなタイミングで。



プロフィール
穴澤 賢(あなざわ まさる)
1971年大阪生まれ。2005年、愛犬との日常をつづったブログ「富士丸な日々」が話題となり、その後エッセイやコラムを執筆するようになる。著書に『ひとりと一匹』(小学館文庫)、自ら選曲したコンピレーションアルバムとエッセイをまとめたCDブック『Another Side Of Music』(ワーナーミュージック・ジャパン)、愛犬の死から一年後の心境を語った『またね、富士丸。』(世界文化社)、本連載をまとめた『また、犬と暮らして』(世界文化社)などがある。2015年、長年犬と暮らした経験から「DeLoreans」というブランドを立ち上げる。

ブログ「Another Days」
ツイッター
インスタグラム

大吉(2011年8月17日生まれ・オス)
茨城県で放し飼いの白い犬(父)とある家庭の茶色い犬(母)の間に生まれる。飼い主募集サイトを経て穴澤家へ。敬語を話す小学生のように妙に大人びた性格。雷と花火と暴走族が苦手。せっかく海の近くに引っ越したのに、海も砂浜もそんなに好きではないもよう。

福助(2014年1月11日生まれ・オス)
千葉県の施設から保護団体を経て穴澤家へ。捕獲されたときのトラウマから当初は人間を怖がり逃げまどっていたが、約2カ月ほどでただの破壊王へ。ついでにデブになる。運動神経はかなりいいので、家では「動けるデブ」と呼ばれている。
楽天ブックス
「犬の笑顔が見たいから」(世界文化社)楽天ブックス
CATEGORY   犬が好き

UP DATE

関連するキーワード一覧

人気テーマ

あわせて読みたい!
「犬が好き」の新着記事

新着記事をもっと見る