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殺処分ゼロをめざして、不幸な犬を減らす東京都の現状 vol.1
※保護犬、飼い主さん、お話を伺った方々の情報は2017年5月10日現在の情報です
殺処分の現実を知ってもらい、最善を尽くす
東京都はこれだけ広いエリアを管轄しながら犬や猫の殺処分数を減らしつづけ、27年度には初めて1000頭を下回りました。しかし今でも年間816頭(27年度。うち犬は24頭)もの殺処分があるのは事実です。
同センターでは都知事が「殺処分ゼロの達成」を宣言したことを受け、飼い主さんたちに殺処分の現実を知ってもらい、関心を高めることを目指しています。ただ、職員の栗原さん、高橋さんは「『ゼロ』という数字にこだわりすぎて、動物たちに苦痛を与えることがないようにしたいです」と語りました。
「センターには事故などにあった瀕死の犬が収容されることもあります。犬にとってつらすぎる苦痛なら開放してあげることも大事な選択です」と業務担当の栗原八千代さんは話します。
持ち込みや迷子犬を減らすための取り組み
「飼い主さんには、愛犬の一生を最後まで見守る責任があります。将来起こりうることまで考えて準備をしておいてほしいです」と飼養相談総括担当の高橋真吾さんは話します。
また、センターでは災害時の迷子犬を減らすための取り組みも積極的に実施中。譲渡事前講習会などでも、災害時のための備えについて知識を広めています。講習会で教えるのは、いぬとの同行避難先や経路などの確認、防災用品の備え、迷子札や鑑札やマイクロチップなどの身元表示、ケージに嫌がらずに入れるようにするための日ごろからの訓練方法など、実践的な内容です。
「講習会は、事前に予約を受け、本所では第2木曜日、多摩支所では第1、3火曜日に開催しています」と高橋さん。日ごろから万が一の事態に備えておくことが、不幸な犬を減らすことにもつながるのです。
「東京都動物愛護相談センター」職員の栗原八千代さん(左)と高橋真吾さん(右)。動物の保護管理譲渡のみならず、飼養相談を受けたり、動物愛護のイベントを行ったりと、業務内容は幅広い
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取材・撮影・文/尾﨑たまき
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