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「生きる」ことの力強さ【連載】おばあちゃん犬がやってきた 第25回
我が家は15歳のお婆ちゃん犬、シロさんを新しい家族として迎えました。
最近、完全に視力を失ってしまったシロさん。耳も我が家に来たときから遠かったので、生活がしづらいのではないかと、心配ばかりしていました。
そんなことを考えていると、目の前にはいつも通り自分のベッドでくつろぐシロさんの姿がありました。
何となく小声で「シロさん・・・」と呼びかけていました。すると・・・
微かな声に反応するシロさん
不思議に思った私はそのまま駆け寄らずに様子を見ることに。
シロさんはキョロキョロ当たりを見回すと同時に周囲の匂いをものすごく嗅いでいるではありませんか。
そのままの場所で「シロさん!ここだよ!」と呼びかけていると
耳を動かし、匂いを確認しながらゆっくり、ゆっくりと私のところまでたどり着きました。
ママさん、どこです?
触れられてやっと気づくシロさん
目が見えなくなる前よりも、声や音に反応するようになりました。
ここにきてまさかの聴力レベルアップを目の当たりにして
過剰な言い方かもしれませんが、『生きる』ことの底力を感じたような気がしました。
生きていくことに、マイナスなことなんてないのかもれません。
一つ失って得ることもあるのだと、そう思いました。
見えてなくても、感じてるよね
私はシロさんに触れる度、かけがえのないシロさんの温もりを感じ
どこか優しい気持ちになるのでした。
登場人物・登場犬猫
tamtam プロフィール
2022年「たまさんちのホゴイヌ」(世界文化社)、2023年「たまさんちのホゴネコ」(世界文化社)を出版。著者印税を動物福祉活動に充てている。
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