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本当にやりたいことは何か【穴澤賢の犬のはなし】

人にはそれぞれ「天職」というものがあるという。自分の性分に合った職業で、本当にやりたいことがたまたま仕事になっている。そのため、いくら大変でも苦にならず、むしろ楽しくやりがいを感じたり、時間を忘れて没頭できたり、迷いや不安もなくなったりするらしい。

時間を忘れて没頭できること?

果たして自分はどうだろう。忙しいと疲れるし、時計はチラチラみるし、無理して夜遅くまでやっても集中力が切れて翌日やり直すことになるのを知っているから適当に切り上げるし、迷いや不安は常にある。
以上のことから、天職ではない気がする。そこで考えてみる。私の天職とは何なのだろう。本当にやりたいこと、時間を忘れて没頭できることは何だろう。正直、すぐには思い浮かばない。仕事以外でも、時間を忘れて没頭することなどない。

私の天職は

こういうのは自分では気付かないのかもしれない。はたから見たら、私が楽しんで没頭しているように見えることがあるかもしれない。そう思って嫁に聞いてみた。すると「うーん、山の家で草刈りしているときかなぁ」と言われた。そんなばかな。
断言するが、別に草刈りが好きなわけではないし、没頭しているわけでもない。すぐに雑草が生えてくるから仕方なくやっているだけで、できることならやりたくない。でも、冬になって雑草が生えない時期になると「なんだか暇だなぁ」と思ったことはある。
もしかして私が本当にやりたいことは、草刈りなのか。草刈りが天職? いや、違う。ありえない。違うのだが、春が来たらまた草刈りを頑張ろう。奴らのために。



プロフィール
穴澤 賢(あなざわ まさる)
1971年大阪生まれ。2005年、愛犬との日常をつづったブログ「富士丸な日々」が話題となり、その後エッセイやコラムを執筆するようになる。著書に『ひとりと一匹』(小学館文庫)、自ら選曲したコンピレーションアルバムとエッセイをまとめたCDブック『Another Side Of Music』(ワーナーミュージック・ジャパン)、愛犬の死から一年後の心境を語った『またね、富士丸。』(世界文化社)、本連載をまとめた『また、犬と暮らして』(世界文化社)などがある。2015年、長年犬と暮らした経験から「DeLoreans」というブランドを立ち上げる。

ブログ「Another Days」
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大吉(2011年8月17日生まれ・オス)
茨城県で放し飼いの白い犬(父)とある家庭の茶色い犬(母)の間に生まれる。飼い主募集サイトを経て穴澤家へ。敬語を話す小学生のように妙に大人びた性格。雷と花火と暴走族が苦手。せっかく海の近くに引っ越したのに、海も砂浜もそんなに好きではないもよう。

福助(2014年1月11日生まれ・オス)
千葉県の施設から保護団体を経て穴澤家へ。捕獲されたときのトラウマから当初は人間を怖がり逃げまどっていたが、約2カ月ほどでただの破壊王へ。ついでにデブになる。運動神経はかなりいいので、家では「動けるデブ」と呼ばれている。
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