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保護犬のしつけから健康管理までトータルでアドバイスする個人活動家の思い
トリマーが中心となって結成された保護活動協会「フォスターサロン・ジャパン」と、その運営を支えるInumanicの飛彈樹里さんの活動を紹介します。
1回目の記事| ボランティアで保護活動していたトリマーたちが立ち上がった活動とは
2回目の記事|テレビに映った保護犬を見て心揺さぶられた、ある女性の取り組み
トータルサービス『Inumanic』の立ち上げ

フォスターサロン・ジャパン運営事務局長で、東京都動物愛護推進員でもある飛彈樹里さんは、もともと自分の愛犬たちのしつけのために、ドッグトレーナーの勉強を積み、資格を取得していました。
それに加えて、犬の健康面のアドバイスもできるよう、ハーブやアロマを使った健康法や、バランスのよい手作りごはんの作り方、さらに、シニア犬の介護についての勉強も行いました。
「知識や経験を積み重ねたところで、犬と飼い主さんの両方をサポートするトータルサービスを立ち上げることにしました。
名称の『Inumanic(イヌマニック)』は、『自分が飼う犬に夢中になってほしい』という思いからつけました」
飛彈さんのInumanicの活動は、FSJで譲渡した犬たちのアフターケアでも大きな役割を果たしています。
散歩ができなかったビビリな元保護犬をトレーニング

その中で、ある飼い主さんに譲渡された元野犬で、超ビビリなよつばちゃんのエピソードがあります。
初めて飼い主さんが散歩に行こうとよつばちゃんを外に出した途端、パニックを起こし、よつばちゃんは大暴れしてしまったそう。
困り果てた飼い主さんからのSOSを受けて、飛彈さんがトレーニングをすることに。
「よつばちゃんのような超ビビリな犬の場合、まずは犬の行動を時間をかけて観察します。
そして簡単なことから課題をひとつずつクリアし、犬に自信をもたせていくことが大切。
散歩のトレーニングでは、まず外の空気や音に慣らすためにクレートに入ったまま外に出すことから始め、その後、クレートを犬用カートに乗せて少しずつ動かしていくようにしました。
こうしたステップを重ねて、約4か月たったころ、よつばちゃんはリードをつけて、飼い主さんと外に出られるようになったんです。
そのとき飼い主さんが喜ぶ顔を見て、私も本当にうれしくなりました」
保護犬を迎えるには不安がある、そんな考えをなくしていきたい

飛彈さんは、保護犬を迎えた飼い主さんが犬の困った行動に直面したとき、「この犬は保護犬だから」という考え方を絶対にしないでほしいと力説します。
「ペットショップから迎えた犬も保護犬も、違いはまったくないんです。
保護犬を迎えるのは不安だと思う人の気持ちを少しでも変えていきたい」と飛彈さん。
最後に、「これからも保護犬と家族の絆を、ひとつずつ紡いでいきたいと思います。
人と犬がともに幸せなるお手伝いを今後もしていければ」と締めくくってくれました。
※各情報は2020年7月7日現在の情報です。
出典/「いぬのきもち」2020年9月号『犬のために何ができるのだろうか』
画像提供/飛彈樹里 フォスターサロン・ジャパン
取材・文/袴 もな
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