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犬の知力の謎【穴澤賢の犬のはなし】

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先代犬の「富士丸」と犬との暮らしと別れを経験したライターの穴澤賢が、
数年を経て現在は「大吉」と「福助」(どちらもミックス)との暮らしで
感じた何気ないことを語ります。

大吉はある程度、言葉を理解している。たとえば夜、1階にある仕事部屋でその日の仕事を終え、私が顔をパソコンに向けたまま「ふぅ、上(リビング)行こうか」と言うと、後ろにいた大吉がテケテケと部屋から出て行き階段を上っていく、というように。

犬は人の言葉を理解している?

福助も同じ行動をするが、大吉の様子を見てまねているだけ疑惑が残る。それでも大吉ほどではないが、反応する単語もあるから彼なりに理解しているのだろう。これは別に大吉が特別優れているという話ではなく、言葉が通じるのは多くの飼い主が実感していることではないだろうか。

さらに犬というのは言葉だけでなく、飼い主の何気ない仕草や、ちょっとした表情の変化などから驚くほど「空気」を読む。それは経験や記憶が積み重なるにつれ、どんどん学習していく。

出かける支度をしていると、まだ一緒に行くとは言っていないし、犬グッズはまだ何も用意していないのに大吉がソワソワし始めることがある。そしてチラチラ探る視線を向けてくる。私がひとりで出かけるときは知らん顔で見送りもしないのに、なぜ自分も一緒に行けると分かるのか、どこで判断しているのかは分からない。服装が変わるわけでもないのに。犬にはそんな不思議な能力がある。

言葉を理解している(と思われる)大吉の謎行動

大吉の謎はここからで、騙して喜ばせるのは心が痛むから支度ができたら「病院、行くか」と声をかける。すると、パッと顔が明るくなり「やった!行く!!」という反応を見せる。いやいや、病院だよ? 君の嫌いな、と思うが喜んで車に飛び乗る。

で、病院に着くと不幸を背負った顔になる。毎回こうである(福助も同様で、大吉があきらめるのに対して全力で拒否る)。ある程度は言葉を理解し、空気を読んで学習するはずなのに、なぜ「病院」という単語は抜け落ちるのか。なぜ「もしかして、病院かも」と疑わないのか。なぜ毎回ヤッホー!とゲンナリを繰り返して学習しないのか、謎すぎる。

犬は自分にメリットがあることほど覚えが早いというが、嫌なことも覚えるはずなのに。なんというプラス思考なのだろう。動物病院に行くことについて学習しないのは、好都合なんだけど。まぁ、どんなに嫌がったところで、定期的に健康診断は受けてもらうけどね。



プロフィール
穴澤 賢(あなざわ まさる)
1971年大阪生まれ。2005年、愛犬との日常をつづったブログ「富士丸な日々」が話題となり、その後エッセイやコラムを執筆するようになる。著書に『ひとりと一匹』(小学館文庫)、自ら選曲したコンピレーションアルバムとエッセイをまとめたCDブック『Another Side Of Music』(ワーナーミュージック・ジャパン)、愛犬の死から一年後の心境を語った『またね、富士丸。』(世界文化社)、本連載をまとめた『また、犬と暮らして』(世界文化社)などがある。2015年、長年犬と暮らした経験から「DeLoreans」というブランドを立ち上げる。

ブログ「Another Days」
ツイッター
インスタグラム

大吉(2011年8月17日生まれ・オス)
茨城県で放し飼いの白い犬(父)とある家庭の茶色い犬(母)の間に生まれる。飼い主募集サイトを経て穴澤家へ。敬語を話す小学生のように妙に大人びた性格。雷と花火と暴走族が苦手。せっかく海の近くに引っ越したのに、海も砂浜もそんなに好きではないもよう。

福助(2014年1月11日生まれ・オス)
千葉県の施設から保護団体を経て穴澤家へ。捕獲されたときのトラウマから当初は人間を怖がり逃げまどっていたが、約2カ月ほどでただの破壊王へ。ついでにデブになる。運動神経はかなりいいので、家では「動けるデブ」と呼ばれている。

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