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思い出の水族館【穴澤賢の犬のはなし】
先代犬の「富士丸」と犬との暮らしと別れを経験したライターの穴澤賢が、
数年を経て現在は「大吉」と「福助」(どちらもミックス)との暮らしで
感じた何気ないことを語ります。
数年を経て現在は「大吉」と「福助」(どちらもミックス)との暮らしで
感じた何気ないことを語ります。
神奈川県・三浦半島の先端にある『京急油壷マリンパーク』が2021年9月30日で閉館するというので、行ってみた。実はここ、犬と入れる珍しい水族館で、かつて富士丸と訪れたことがある。もう10年以上前のことだ。
現地でいろいろ思い出す
だから記憶は曖昧だが、入り口にサメも大きな口があったりして「そういえばここであいつと写真撮ったっけ」と思い出す。たしか当時やっていた連載の取材だったが、あいつはイレギュラーなお出かけをいつも単純に喜んでいた。
彼らが水の中にいる魚やサメをどう認識しているのか分からないが、大吉は特に好奇心があるようでもなく、ただ眺めてはプイッとそっぽを向いていた。富士丸は長く見つめたりしていたが。
富士丸との思い出を掘り起こす
そういえば、水槽を隔てて撮影して、さも水中にいるような写真が撮れるコーナーがあったはずと探してみると、まだあった(当時はプロが撮影してプリントしてくれる有料サービスだったと思うが、今は誰でも自由に撮れるようになっていた)。
富士丸と行ったときのことは後で書籍にまとめたはずと思い、帰宅して探してみると、あった。『富士丸おでかけ日和(日経BP)』という本で、同じように記念撮影していた。
あのときは、まさか10数年後に大福と同じ場所で写真を撮ることになるなんて思っても見なかった。久々に行った甲斐があったかな。
犬と暮らしていると長時間の留守番を避けてなかなか水族館などに行く機会はないし、犬と入れる水族館なんて珍しいから、興味のある方は閉館前に行ってみては。犬が喜ぶかどうかは微妙だけど。
プロフィール
穴澤 賢(あなざわ まさる)
1971年大阪生まれ。2005年、愛犬との日常をつづったブログ「富士丸な日々」が話題となり、その後エッセイやコラムを執筆するようになる。著書に『ひとりと一匹』(小学館文庫)、自ら選曲したコンピレーションアルバムとエッセイをまとめたCDブック『Another Side Of Music』(ワーナーミュージック・ジャパン)、愛犬の死から一年後の心境を語った『またね、富士丸。』(世界文化社)、本連載をまとめた『また、犬と暮らして』(世界文化社)などがある。2015年、長年犬と暮らした経験から「DeLoreans」というブランドを立ち上げる。
ブログ「Another Days」
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大吉(2011年8月17日生まれ・オス)
茨城県で放し飼いの白い犬(父)とある家庭の茶色い犬(母)の間に生まれる。飼い主募集サイトを経て穴澤家へ。敬語を話す小学生のように妙に大人びた性格。雷と花火と暴走族が苦手。せっかく海の近くに引っ越したのに、海も砂浜もそんなに好きではないもよう。
福助(2014年1月11日生まれ・オス)
千葉県の施設から保護団体を経て穴澤家へ。捕獲されたときのトラウマから当初は人間を怖がり逃げまどっていたが、約2カ月ほどでただの破壊王へ。ついでにデブになる。運動神経はかなりいいので、家では「動けるデブ」と呼ばれている。
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