犬がみせるさまざまなしぐさには、そのときの気持ちが隠されています。たとえば、犬がうれしい気持ちのときにしっぽを振るのは有名ですが、同じしっぽの動きでも、股の間に巻き込んでいるときは全く違う意味になることも。
「犬が相手を怖がっているときにみせるしぐさ」を、獣医師の藤本聖香先生に教えていただきました。
※ここで挙げているのは、犬のしぐさと気持ちの一部です。そのため、犬の性格やそのときの状況などによってはここで紹介しているものとは違う感情をいだくこともあります。
【目】怖いときは、横目で見る&キョロキョロする!?
横目で見る
犬が白目を出して横目でものを見ているときは、見ている相手への緊張感の表れです。さらに、耳が後ろを向いて、体や口元に緊張からややかたさが見られるようなら、「ちょっと怖い」「緊張する……」「誰だ? 何だ?」と考えているかもしれません。
目をキョロキョロさせて耳を動かす
「怖いな」「不安だな」「何か起きそう……」と思っているときは、目や耳を動かして周囲の情報を収集しようとします。体のこわばりや口元の緊張感に加え、足に力が入っていることもあります。
【しっぽ】“しっぽを振る=うれしい”ではない!?
しっぽを上げてしっぽの上のほうだけ振る
しっぽを高く上げてお尻ごとブンブン振る場合は「うれしい」「楽しい」といった意味ですが、しっぽを上げて振っていてもお尻は振っていない、かつ表情がかたいときは、緊張や恐怖を感じています。「ちょっと緊張する」「出方によっては応戦するよ」という威嚇の気持ちがあることも。
しっぽを股の間に巻き込む
しっぽを巻き込むしぐさは、相手にしっぽを取られまいと隠している、からだを小さく見せて敵意はないと示す、という意味があります。「不安……」「嫌だ!」「来ないで」といった強い恐怖や不安を抱いているサインです。
【全身】暖かいのに震えていたら“恐怖”のサイン
体が震える
暖かくても震えているなら、寒いのではなく「怖いよ」「緊張するな」「不安……」と思っているサインです。おびえや緊張から起きるしぐさのひとつで、腰を引きぎみに震えることが多いのが特徴です。
犬が恐怖を抱く対象はさまざまですが、いち早く気付いてあげたいですよね。
愛犬の行動をふだんからたくさん観察すれば、その気持ちにも気付きやすくなるかもしれません。しぐさから気持ちを読み取って、お互いの関係向上に役立てましょう!
お話を伺った先生/藤本聖香先生(獣医師 英国APDT認定ペットドッグトレーナー)
参考/「いぬのきもち」2020年6月号『360度いぬのこと大調査!第3章 きもちがわかる!いぬのしぐさ35』
文/緒方るりこ
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。