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【愛犬のがん闘病記】11才でメラノーマを切除したココアちゃんのお話

犬の死亡原因のトップと言えば、「がん」。そこで、がん治療にくわしい堀川歴央先生(レオどうぶつ病院院長)に、愛犬の「がん」を乗り越えた飼い主さんをご紹介いただき、インタビューさせていただきました。
今回は、神奈川県のNさんとパピヨンのココアちゃんの闘病記をお送りします。

※このWEB記事内ではリアルな犬の歯や重症例の写真も掲載しています。閲覧にはご注意ください。

11才で見つかった口腔メラノーマを、あごの切除手術と抗がん剤で治療

Nさんの愛犬ココアちゃん(メス・13才/パピヨン)
Nさんの愛犬ココアちゃん(メス・13才/パピヨン)

トリミングサロンで口の中の腫瘍を発見

レオどうぶつ病院で定期的にトリミングを受けているココアちゃん。その際、口の中にしこりが見つかり、病理検査でメラノーマ(がん)だと判明しました。
「定期的な健康診断でも異常はなく、ゴハンを食べづらそうにする様子もなかったので、こんなことがあるのかと驚くばかりでした」とNさん。
 
転移はなく、下あごの切除手術がベストだと堀川先生から説明がありました。
「腫瘍だけでなく、下あごも切除するという手術の方法に驚いただけでなく、家族と離れるのが苦手な性格から、入院は無理だと手術には消極的でした」
 
医療系学部に通う娘さんも、手術には反対でした。しかし、「ココアがいちばん苦しまない治療なら選択してあげたい」と、大学で文献を調べ、獣医学部の友人に意見を聞くなどしたそう。
「がんが全身に転移し、痛みでゴハンを食べられず、悲惨な状態になる。ならば、手術の可能性にかけ、ココアにがんばってもらいたいと娘の意見が変わりました」
 
また、堀川先生から、メラノーマのなかでも悪性度が低いものの、抗がん剤での完治は難しいと説明もあり、手術を決断。手術は、大学病院で行いました。
11才のとき、トリミング時に行う歯のチェックの際、口の中に見つかった腫瘍
11才のとき、トリミング時に行う歯のチェックの際、口の中に見つかった腫瘍

手術と抗がん剤を乗り越えた愛犬に感謝

退院後は、レオどうぶつ病院で抗がん剤治療が始まりました。初めて抗がん剤治療を受けた日の夕方、食べたものを吐くことがありましたが、それ以降は体調に変化はなく、治療を続けました。がんの摘出手術後の抗がん剤治療は、犬では一般的に半年間。ココアちゃんも半年で治療を終了しました。

抗がん剤治療を終えて、1年が過ぎた2021年6月、堀川先生から「1年間、転移や再発なくがんばれたココアちゃんは、完治したと言っていいでしょう」とうれしいひと言が。

「とにかくホッとしました。じつは、ココアは私の実家の犬で、母が亡くなりうちで引き取ったのです。ココアのがんの宣告は、母の他界から2年後のことで、ココアまでいなくなってしまうのかとつらいできごとでした。だから今、ココアと過ごせることがとても幸せです」
手術後5カ月。下あごの先がないため、舌は出たままに
手術後5カ月。下あごの先がないため、舌は出たままに

ココアちゃんの闘病中のお世話

下あごの切除手術と、その後の抗がん剤治療を受けたココアちゃん。ゴハンの介助は、手術後からずっと続けています。

術後にふらつきがあったため、床に物を置かないなど気を配りました

手術後に筋力が落ちたのか、立ち上がったときにふらついたり、段差につまずいたりするなどの不調が続いたそう。しばらくの間、床に物を置かないようにし、歩いているときはできるだけ見守っていました。

手術以降、今でもゴハンは手の上にのせて食べさせています

下あごの先を切除したココアちゃんは、食べ物をくわえることができません。そのため、ゴハンのときに介助が必要。フードをふやかし、ゆでたささ身を混ぜて団子状にし、手にのせてココアちゃんの口元に運び、食べさせています。
手の上にのせて口元に運び、食べさせます
手の上にのせて口元に運び、食べさせます
元気に散歩にも行っているココアちゃん
元気に散歩にも行っているココアちゃん
※各情報は発売時の情報です。

お話を伺った先生/レオどうぶつ病院・院長 堀川歴央先生
参考/「いぬのきもち」2021年12月号『愛犬のがん闘病記』
写真提供/Nさん
取材・文/伊藤亜希子
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