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犬に必要な栄養素を知ろう!必須栄養素の種類とそのはたらき

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健康で、すぐれた機能を発揮できる体づくりには、フードから適切な栄養素をとりいれることが大切です。この記事では、犬に必要な栄養素と、そのはたらきをまとめました。愛犬の健康のために知っておきましょう。妊娠中や避妊後などは、とくに意識できると安心です。

飼い犬は自分で食物を選べない。 栄養を管理するのはあなた!

 私たち人は、食べたいものを自分で選んで食べることができます。野生動物も、本能や親の教育に従って必要な食物を得ます。しかしペットは、人から与えられた食物を食べて生きるしかありません。飼い主には、愛犬に必要な栄養を理解して、適切に与える責任があります。
 栄養が不足すると、健康な体に成長できなかったり、病気をしやすくなったり、寿命に影響が出たりします。
 生命を維持するのに必要な栄養素の割合や必須栄養素(下欄参照)は動物ごとに異なります。必須栄養素は「総合栄養食」で網羅できますが、飼い主として正しい知識をもっておきましょう。

食物からとりたい「必須栄養素」

動物の体は、吸収した栄養素をもとに、実際に体内ではたらく栄養素の多くをつくり出すしくみをもっていますが、必要量を体内でつくり出すことができず、食物から直接摂取する必要があるものを「必須栄養素」といいます。この必須栄養素は、動物によって異なります。必須アミノ酸、必須脂肪酸のほか、ビタミンやミネラルなどがあります。不足すると体の機能に影響が出て病気になることもあるので、必要量を食事からきちんと摂取できるように、飼い主が管理する必要があります。「総合栄養食」のペットフードは、これらの必須栄養素が必要量とれるように調整されています。

水は、生命維持にもっとも必要!
新鮮な水をいつでも飲めるように

動物は、体脂肪のほぼすべてと、たんぱく質の半分を失っても生きることができますが、水分を15%失うと生きることができません。水はあらゆる栄養素の中で、もっとも重要といえます。
 動物が1日に必要とする水分量(mL)は、その動物が1日あたりに必要なエネルギー要求量(Kcal)とほぼ同じ。ですが、下痢やおう吐の症状があるときや、フードがウエットかドライかによっても異なります。
 新鮮な水がいつでも飲める環境を用意するとともに、愛犬が1日に飲む水の量を把握し、異常に気付いたら動物病院で診てもらいましょう。飲む量の急な増減は、病気の兆候の一つです。

たんぱく質は、体の組織や免疫機能のもと 成長期にはとくに必要!

 たんぱく質は、アミノ酸がいくつも連なった高分子化合物です。体の中ではたらくアミノ酸は約20種類あり、これらが任意の組み合わせで配列することで、皮膚、筋肉、ホルモン、抗体などになります。動物の体を構成する物質の約20%を占める、とても重要な栄養素です。
 体を構成するのに必要な分以上にたんぱく質を摂取した場合はエネルギー源としても使われますが、多すぎると腎機能障害などの病気を引き起こすこともあります。フードをキャットフードで代用したり、肉に偏った手作り食ばかり与えたりするのは避けましょう。

必須アミノ酸のバランスと 消化率がよいものを選びたい

 体の中ではたらく約20種類のアミノ酸のうち、多くは体内で合成できますが、必要量を合成することができないために食物から摂取する必要があるものを、必須アミノ酸と呼びます。犬の場合は、アルギニン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、バリンの10種類です。
 アルギニンは体内のアンモニアを無毒化して尿素にするはたらきに関わり、ロイシンは骨格筋の代謝に重要といったように、アミノ酸にはそれぞれ違うはたらきがあります。必要量も異なるので、バランスよく含まれていることと、消化率が高いことが理想です。アミノ酸の含有量までの記載義務はないので、信頼できるフードを選びたいですね。

炭水化物は、多すぎると 肥満のもとにも

 炭水化物は、消化酵素によって分解される「糖質」と、分解されない「繊維質」に分けられます。糖質は必須栄養素ではありませんが、生命活動に必要なエネルギーを供給する栄養素で、犬用のドライフードには、30%〜60%が含まれています。
 エネルギー源として使用されなかった糖質は、主に脂肪として体内に蓄積されます。雑食性の性質がある犬は糖の甘さを好むため、人が食べる甘い食べ物をねだることもありますが、与えてはいけないものに注意するとともに、過度に与えて肥満につながらないように気を付ける必要があります。

腸内を整える繊維質は 多すぎないように調整されている

 炭水化物のうち、腸内の酵素で分解されない繊維質は、一部が大腸内の細菌によって発酵し、分解されます。分解されないものも、腸内環境を整え、ウンチとなる腸の内容物のかさと水分を増やして、便秘や下痢の予防に役立っています。また、血糖値の上昇を抑える、食物全体のエネルギー密度を下げることで肥満を予防するなどの機能を担っています。
 繊維質については、ペットフードの成分の表示に「粗繊維」として記載があります。繊維質については、多すぎるとフード全体のエネルギー量が低下したり、一定の栄養素を摂取できなかったりするおそれがあることから、「○%以下」といった、一定の割合以下を保証する形で記載されています。

脂肪は、効率のよいエネルギー源。 一方で、肥満のもとにも……

 脂肪は、動物の体に10〜40%ほど含まれています。1gにつき、炭水化物やたんぱく質の約2.5倍のエネルギーを供給できるのですが、それだけに、過剰に摂取すると体内に蓄えられて肥満のもととなります。
 肥満のもとというと警戒してしまいますが、脂溶性ビタミンの吸収を助けたり、体内で合成できない必須脂肪酸の供給源となったりといった必要なはたらきもあるので、適切な量をとりたい栄養素です。また、運動量が多いときや妊娠・授乳中のエネルギー源としてや、ほかのエネルギー源の摂取が制限されるときにも多く必要とされます。

必須脂肪酸が適切に含まれた食事を与えたい

 脂肪は、食物中では一般的に、グリセロール(グリセリン)1分子に1〜3個のさまざまな脂肪酸が結合した「中性脂肪」として存在しています。中性脂肪は消化酵素によって分解され、吸収されたグリセロールと脂肪酸が体内ではたらきます。
 脂肪酸は、エネルギー源となるだけでなく、細胞膜の構成成分となったり、健康な皮膚や被毛を保ったり、ホルモンや酵素などを合成するなどの重要なはたらきをしています。このうち、体内で合成できないものを必須脂肪酸といい、食事で摂取する必要があります。犬の代表的な必須脂肪酸は、リノール酸やα-リノレン酸(ALA)、アラキドン酸です。これらは不飽和脂肪酸で酸化しやすいため、ドライフードは酸化を進める光や高温を避け、空気を遮断して保存します。

ミネラルは、成分表示は部分的でも 大切なはたらきをしている

 ミネラルとは、体の中に含まれる元素のうち、燃やすと気体となる炭素、水素、酸素、窒素を除いた分のことで、灰となって残るため、成分表示には「灰分」と記載されています。
 このうちAAFCO(米国飼料検査官協会)が摂取基準を定めているのは
12種類で、日本の総合栄養食のドッグフードも、この指針にならっています。記載の取り決めはありませんが、健康管理のうえで関心の高いミネラルの量については、記載するなどの工夫もされています。

ミネラルの過剰や不足は、 他のミネラルのはたらきにも影響が

 ミネラルのうち、ペットフードに含まれている量を1kgあたり何g、または%で表示しているものを「多量ミネラル」と呼びます。一方、1kgあたり何mgまたはμg(マイクログラム)で表示しているものを「微量ミネラル」と呼びます。
 カルシウムとリンは、骨や歯の主要な構成成分であるほか、血液や体液の中にも存在し、常にバランスを保ちながら、さまざまな機能を担っています。このバランスがくずれてカルシウムの割合が小さくなると、バランスを戻すために骨のカルシウムが使われて骨密度が低下します。
 このように、ミネラルは他のミネラルの機能を低下させたり、助け合って機能したりするという複雑な関係にあります。このため、個々に適正量を摂取するだけでなく、バランスを保つことがとても大切です。

ビタミンは、基本的には必須栄養素 過剰摂取に気を付けるべきものも

 ビタミンとは、体の構成成分やエネルギー源にはならないけれど、微量でも体の機能や代謝を円滑にするはたらきをする、有機化合物のことをいいます。私たちにとっても体調管理のために摂取を心がけるなどなじみのある栄養素です。
 また、液体への溶け方の性質から、水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンに分けられます。どちらも欠かせない栄養素ですが、水溶性ビタミンは尿に溶けて体内から失われやすいため毎日の必要量を摂取する必要がある一方、脂溶性ビタミンは体内に蓄えられるため適量を超えて摂取しないように配慮する必要があります。脂溶性ビタミンのサプリメントの乱用は避けましょう。

ビタミンは、成長期には専用フードで しっかりと補いたいもの

 ビタミンは、基本的には食物から摂取する必須栄養素です。しかし、人の必須栄養素であるビタミンCを犬や猫は体内で合成できるなど、動物によって違いがあります。雑食性の犬は人と同様に、植物に含まれるカロテンからビタミンAをつくることができますが、猫はビタミンAそのものを、食物からとる必要があります。
 また、成長期と繁殖期には、新たな組織を次々とつくるために多く必要となります。
 また、イカなどの生の魚介にはチアミン(ビタミンB1)を分解するチアミナーゼが、生の卵白はビタミンB群のビオチンと結合するアビジンという物質が含まれていて、犬に食べさせると欠乏症が起きるおそれがあります。

引用元:いぬのきもち『愛犬の栄養学事典』

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