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犬に必要な栄養素を知ろう!必須栄養素の種類とそのはたらき
飼い犬は自分で食物を選べない。 栄養を管理するのはあなた!
栄養が不足すると、健康な体に成長できなかったり、病気をしやすくなったり、寿命に影響が出たりします。
生命を維持するのに必要な栄養素の割合や必須栄養素(下欄参照)は動物ごとに異なります。必須栄養素は「総合栄養食」で網羅できますが、飼い主として正しい知識をもっておきましょう。
食物からとりたい「必須栄養素」
新鮮な水をいつでも飲めるように
動物が1日に必要とする水分量(mL)は、その動物が1日あたりに必要なエネルギー要求量(Kcal)とほぼ同じ。ですが、下痢やおう吐の症状があるときや、フードがウエットかドライかによっても異なります。
新鮮な水がいつでも飲める環境を用意するとともに、愛犬が1日に飲む水の量を把握し、異常に気付いたら動物病院で診てもらいましょう。飲む量の急な増減は、病気の兆候の一つです。
たんぱく質は、体の組織や免疫機能のもと 成長期にはとくに必要!
体を構成するのに必要な分以上にたんぱく質を摂取した場合はエネルギー源としても使われますが、多すぎると腎機能障害などの病気を引き起こすこともあります。フードをキャットフードで代用したり、肉に偏った手作り食ばかり与えたりするのは避けましょう。
必須アミノ酸のバランスと 消化率がよいものを選びたい
アルギニンは体内のアンモニアを無毒化して尿素にするはたらきに関わり、ロイシンは骨格筋の代謝に重要といったように、アミノ酸にはそれぞれ違うはたらきがあります。必要量も異なるので、バランスよく含まれていることと、消化率が高いことが理想です。アミノ酸の含有量までの記載義務はないので、信頼できるフードを選びたいですね。
炭水化物は、多すぎると 肥満のもとにも
エネルギー源として使用されなかった糖質は、主に脂肪として体内に蓄積されます。雑食性の性質がある犬は糖の甘さを好むため、人が食べる甘い食べ物をねだることもありますが、与えてはいけないものに注意するとともに、過度に与えて肥満につながらないように気を付ける必要があります。
腸内を整える繊維質は 多すぎないように調整されている
繊維質については、ペットフードの成分の表示に「粗繊維」として記載があります。繊維質については、多すぎるとフード全体のエネルギー量が低下したり、一定の栄養素を摂取できなかったりするおそれがあることから、「○%以下」といった、一定の割合以下を保証する形で記載されています。
脂肪は、効率のよいエネルギー源。 一方で、肥満のもとにも……
肥満のもとというと警戒してしまいますが、脂溶性ビタミンの吸収を助けたり、体内で合成できない必須脂肪酸の供給源となったりといった必要なはたらきもあるので、適切な量をとりたい栄養素です。また、運動量が多いときや妊娠・授乳中のエネルギー源としてや、ほかのエネルギー源の摂取が制限されるときにも多く必要とされます。
必須脂肪酸が適切に含まれた食事を与えたい
脂肪酸は、エネルギー源となるだけでなく、細胞膜の構成成分となったり、健康な皮膚や被毛を保ったり、ホルモンや酵素などを合成するなどの重要なはたらきをしています。このうち、体内で合成できないものを必須脂肪酸といい、食事で摂取する必要があります。犬の代表的な必須脂肪酸は、リノール酸やα-リノレン酸(ALA)、アラキドン酸です。これらは不飽和脂肪酸で酸化しやすいため、ドライフードは酸化を進める光や高温を避け、空気を遮断して保存します。
ミネラルは、成分表示は部分的でも 大切なはたらきをしている
このうちAAFCO(米国飼料検査官協会)が摂取基準を定めているのは
12種類で、日本の総合栄養食のドッグフードも、この指針にならっています。記載の取り決めはありませんが、健康管理のうえで関心の高いミネラルの量については、記載するなどの工夫もされています。
ミネラルの過剰や不足は、 他のミネラルのはたらきにも影響が
カルシウムとリンは、骨や歯の主要な構成成分であるほか、血液や体液の中にも存在し、常にバランスを保ちながら、さまざまな機能を担っています。このバランスがくずれてカルシウムの割合が小さくなると、バランスを戻すために骨のカルシウムが使われて骨密度が低下します。
このように、ミネラルは他のミネラルの機能を低下させたり、助け合って機能したりするという複雑な関係にあります。このため、個々に適正量を摂取するだけでなく、バランスを保つことがとても大切です。
ビタミンは、基本的には必須栄養素 過剰摂取に気を付けるべきものも
また、液体への溶け方の性質から、水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンに分けられます。どちらも欠かせない栄養素ですが、水溶性ビタミンは尿に溶けて体内から失われやすいため毎日の必要量を摂取する必要がある一方、脂溶性ビタミンは体内に蓄えられるため適量を超えて摂取しないように配慮する必要があります。脂溶性ビタミンのサプリメントの乱用は避けましょう。
ビタミンは、成長期には専用フードで しっかりと補いたいもの
また、成長期と繁殖期には、新たな組織を次々とつくるために多く必要となります。
また、イカなどの生の魚介にはチアミン(ビタミンB1)を分解するチアミナーゼが、生の卵白はビタミンB群のビオチンと結合するアビジンという物質が含まれていて、犬に食べさせると欠乏症が起きるおそれがあります。
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