こんな様子が見られたら肥満かも!?
散歩に行くのを嫌がる、ゼエゼエと息遣いが荒くなった、横座りをする、段差がうまく登れないなど、愛犬にこんな様子が見られたなら、それは「肥満」が原因かもしれません。ちょっとぽっちゃりしているくらいが可愛いと肥満を見逃していると、知らず知らずのうちに重症化し、ダイエットだけでは間に合わなくなってしまうこともあります。肥満が重症化すると多様な疾病を引き起こし、治療も長引くことで費用もかさみます。そうなる前にしっかりと愛犬の健康チェックを行いましょう。
日頃から愛犬をチェックしよう!
《体重・体型のチェック》
同じ体重でも脂肪の付き方は犬によって違うので、愛犬が肥満になっているかどうかは体重だけでは判断しづらいもの。そこで自宅で簡単にチェックできる「ボディコンディションスコア(BCS)」と呼ばれる肥満チェック表を見て、愛犬が肥満になっていないか確認しましょう。測定には個人差が出てしまうので、家族のみんなで見てあげるとベターです。
①腹部の釣り上がりをチェック!
愛犬を横から見たときに、お腹の垂れ下がりがないかどうかを見ます。肥満になるとだんだんお腹が垂れ下がってきます。腹部がつり上がっているのが理想的です。
②腰のくびれをチェック!
上から見た時、腰にくびれがあるかどうかをチェックしましょう。
③脂肪がついていないかチェック!
胸や脇腹を軽くなでて、余分な脂肪がなく肋骨が感じられれば標準体型と言えるでしょう。肥満気味になると、腰椎や背中にも脂肪がついてきます。毛が長い犬種は地肌に近い部分に手を入れてチェックしましょう。
体型だけではなく体重もこまめにチェックして、変化がないか日頃から確認しておきましょう。
《食事のチェック》
成長に見合ったフードを与えないと、カロリーオーバーしたり、栄養が偏ったりしてしまいます。必ずフードのパッケージ表記を確認して、適正な量を与えているか確認しましょう。おやつを与え過ぎていたり、お菓子やおつまみなどの人の食べ物を与えていても肥満の原因になります。家族でこっそりあげている人がいないかもチェックしましょう。
《運動量のチェック》
摂取カロリーが消費カロリーを上回ると、人同様に当然太っていってしまいます。上述したように食事の量も重要ですが、運動不足など日頃の生活習慣も肥満の原因になります。肥満になると歩くのを嫌がり、さらに運動不足になってしまいます。暑くなったり、寒くなったりするとついつい散歩も面倒になってしまうかもしれませんが、飼い主さんが運動のコントロールをきちんと行い、適正体重を保てるように心がけましょう。
肥満が引き起こす怖い病気
肥満になると、さまざまな疾病を引き起こすリスクがあります。体重が増加することによって足腰に負担がかかり、関節や靭帯、椎間板を痛めやすくなります。関節がいたくなると当然歩くのも嫌がり、どんどんと肥満が進行していくことに。首の周りに脂肪が付くと気道が圧迫され、呼吸がしづらくなったり、太った体全身に血液を送るのに心臓の負担が大きくなったりと愛犬の体への負担がどんどん増えていきます。
さらに体内の中性脂肪が増加し、脂肪細胞が肥大化します。糖尿病などの寿命を短くする疾病の引き金にもなりますので、ちょっとでも気になることがあれば獣医師に相談し肥満を見逃さないようにしましょう。
愛犬の肥満を未然に防ごう!
愛犬の肥満を未然に防ぐことで、肥満が引き起こす様々なリスクから回避することができます。大事な愛犬の健康を守るためにも、普段からこまめに体重や体型をチェックしてあげましょう。
出典/「いぬのきもち」16年8月号別冊『愛犬肥満解消プロジェクト』(監修:日本獣医生命科学大学 獣医学部 獣医学教育推進教室助教 岡田ゆう紀先生、日本獣医生命科学大学 大学院獣医応用生命科学研究科 獣医生化学研究室 教授 新井敏郎先生)
文/tu-ca
写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。