夏の間、犬はよく冷えた室内で一日中過ごすことが多いでしょう。愛犬が健康かつ快適に過ごせるよう、夏の室内に取り入れたい涼活について、獣医師の丸太香緒里先生とトリマーの二村陽子先生に伺いました。
犬の“涼活”とは
「犬の涼活」とは、夏場、犬が健康を害さない程度に涼しく快適に感じさせることをいいます。
暑いからといってやみくもに涼しくしたり、冷やしたりすると、かえって犬は体調を崩してしまいます。とくに、体温調節が苦手な子犬やシニア犬はその傾向があるので、注意が必要です。愛犬に合った正しい涼ませ方をしましょう。
室内の涼活1:ベッドやハウスはエアコンの風が直撃しない場所に置く
エアコンの風が直接当たるところは冷えすぎるおそれがあるので、犬が寝るベッドやハウスは置かないようにしてください。もし、そこにしかハウスを置けないのなら、風が直接当たらないようにエアコンの風向きを変えたり、屋根や囲いをつけたりするといいでしょう。
室内の涼活2:室内にひんやりゴロゴロスペースをつくる
愛犬の足が滑りにくいようにと、床全体に厚みのあるラグやマットを敷いている家庭もあるでしょう。ただ、それだと夏は少し暑いかもしれません。
愛犬が自分で「心地のいい涼しさ」を選べるよう、室内の一部をあえてフローリングにしたり、ひんやり感じる大理石ボードを置いたりするといいでしょう。
室内の涼活3:日が差しこむ窓のカーテンなどを閉めておく
日が差しこむ窓のカーテンやブラインドは、あらかじめ閉めておくと室内の涼しさを保ちやすくなります。東側や西側の窓でも案外日が差しこむことがあるので、犬のいる部屋の窓は何時ごろにどの程度の日が入るのか、ふだんからチェックしておきましょう。
室内の涼活4:サーキュレーターや扇風機を併用して冷気を循環させる
エアコンだけ稼働させても冷気のムラができるので、室内環境は快適になりにくいもの。サーキュレーターや扇風機で室内の空気を循環させれば、犬がいる床近くの室温が調整されて快適な環境になります。さらに室内の空気が動くので、犬が苦手な湿気もたまりにくくなります。
犬が多くの時間を過ごす室内には、湿度や温度の変化ができるだけ少なくなるような工夫を取り入れましょう。また、暑さや寒さを感じたときに、犬自ら過ごす場所を調整できるようにすることも大切です。
お話を伺った先生/丸太香緒里先生(「アニマルライフパートナー」院長 獣医師 獣医中医師 ペット栄養管理士 往診獣医師協会代表理事)、二村陽子先生(トリマー トリミングサロン「HONDEHOK」運営)
参考/「いぬのきもち」2025年8月号『犬にちょうどいい涼しさで夏バテ予防! “涼活”のススメ』
文/宮下早希
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
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