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【獣医師監修】犬とのお出かけ、うまくいくコツは? 持ち物や用意しておきたいコト、マナーまで

愛犬とのお出かけをスムーズにさせるには、乗り物に慣れさせたり、事前にしつけを教えたり、マナーやルールを知っておく必要があります。大事なことを再確認して、ぜひ愛犬と遠出したいですよね。役立つハウツーを獣医師とドッグトレーナーに解説していただきました。

芝崎 考次郎 先生

 獣医師
 相模大野プリモ動物病院副院長

 日本獣医生命科学大学卒業

●資格:獣医師

●所属:日本獣医エキゾチック動物学会

●主な診療科目:一般診療(外科、内科)/エキゾチックペット診療

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出かける前に愛犬を車に慣れさせて、乗り物酔いを防ごう

犬も乗り物酔いすることがあり、いきなりドライブに連れ出してしまうと、車に酔って以後、車が苦手になってしまうことがあります。ヨダレを大量に流す、呼吸がハァハァと速くなる、吐くといった乗り物酔いのサインが出ていないか確認しながら、まずは止まっている車から慣れさせましょう。

車への乗せ方、降ろし方は?

車への飛び乗りや飛び降りは、犬の足腰に負担になります。小型犬も大型犬も基本的には、抱っこで乗降させましょう。小型犬なら、クレートに入れた状態で乗降しても。
降車時、犬を外に出そうとクレート内でリードをつけたときに興奮したら、いったんクレートの扉を閉めて犬が落ち着くまで待ちましょう。そのまま犬を降ろすと、車外に飛び出したり、興奮グセの原因になったりします。

「ハウス」しつけを復習しておこう

犬を車に乗せるときには、必ずクレートに入れます。万が一の際、クレートが愛犬の命綱になるからです。そのため、愛犬にはクレートに充分慣れさせておく必要があります。

・出かける前に、車内でじっとしていられるか練習を
車は止めたまま、車内に愛犬を入れたクレートを乗せて、エンジンをかけてみましょう。車内に5分間いても、犬が乗り物酔いしなかったら、ドライブに出かけても大丈夫でしょう。

犬にとって、安心・安全・ストレスフリーなドライブのコツ

・ドライブ直前にゴハンを与えない
犬のおなかの中にある食べ物がある程度消化されていないと車に酔いやすくなります。食後3時間はあけて車に乗せるようにしましょう。

・急ブレーキ・急ハンドルはNG!
安全面や乗り物酔い予防の面でも、急ブレーキや急ハンドルは避けたいものです。体が左右に振られて安定しないため、犬が車嫌いになる可能性もあります。

・ドライブ中にクレートから出さない
車に慣れたからといって、犬をクレートから出してドライブするのはNG。万が一の際、体や頭を強打したり、窓から車外に飛び出してしまったりする危険が!

犬を連れて電車に乗るとき必ず守りたいこと

・犬連れ可能か、事前に鉄道会社に確認を
犬同伴可でも、クレートなどのケースに犬を入れるのがルールとなっている場合がほとんど。利用料金や持ち込めるケースのサイズは会社によって異なるため必ず確認して。

・「犬の顔を出す」「シートにクレートを置く」等はNG
犬の顔や体の一部をケースから出すのはルール違反。犬を入れたケースを座席上に置くのも周囲の迷惑に。ケースは必ず足元に置くか、手で持つようにしましょう。

・カート不可の鉄道会社が多いので注意を
犬用カートに乗せての同伴を禁止している場合が少なくありません。またスリングに入れての乗車も禁止している場合があるので、事前確認を忘れずに。

ドッグランに行く前にやっておくこと、用意するものは?

ドッグランは、たとえばドライブ途中に立ち寄れば、犬を気分転換させるのに最適な場所です。しかし、そこにいるほかの犬が、どんな性格でどの程度しつけができているのかなどはわからないため、トラブルにあう可能性も。リスクを回避できる遊ばせ方を知っておきましょう。

(事前に用意しておきたいこと)
□ノミ・ダニ駆虫薬の定期的な投薬
□フィラリア予防薬の定期的な投薬
□各種ワクチン接種証明書

ワクチン接種証明書の提示は、ドッグランによって規約が異なるので事前に確認を。また、会員登録しているなら登録証を忘れずに。ドッグランは屋外にあることが多く、利用前に害虫忌避剤を使うといいでしょう。

オイデをしつけておこう

ノーリードになるドッグランでは、「オイデ」ができないと、帰るときだけでなく、トラブルが起きそうなときに犬を呼び戻すことができません。屋外でもできるように練習しておきましょう。

ドッグランの利用法は、注意点とは?

1 ドッグランの外から中の様子を伺う
ドッグラン内をよく確認し、混雑していたり、苦手な犬がいたりする場合には利用を控えましょう。入るときは、すでに中にいる飼い主さんに「入っていいですか?」と、一声かけるのも忘れずに。

2 リードを付けたまま、ドッグランの中をいっしょに歩く
ドッグラン内を散歩し、犬の様子を確認しつつ、その場に慣れさせましょう。ドライブ途中に気分転換として利用する場合は、リードをはずさなくても、いっしょに歩くだけで充分です。

3 リードをはずして放し、こまめに愛犬を呼び戻す
リードをはずしたら、犬が興奮しすぎないよう、こまめに呼び戻しては再び放すことを繰り返して。犬は「呼ばれて戻ってもまた遊べる」と捉え、指示に従いやすくなります。

4 ドッグラン利用後は排泄物の処理をしてボディチェックを
帰るときは、訪れたドッグランの規約に従って犬がしたウンチやオシッコを処理します。ドッグランから出たら、ケガなどしていないか、害虫がついていないかなど、犬の体をよく確認しましょう。

カフェやレストランで愛犬と過ごすときの注意点とは?

犬を連れて出かけたときに問題となるのが飼い主さんの食事。事前に必要なしつけを教えておけば、犬連れ入店が可能な飲食店で食事をとることができます。犬を連れた旅行の際は、宿泊先で犬同伴の食事が必須になることもあるので、マナーを心得ておきたいですね。

お店に入店するときに持っておいたほうがいいもの

・使い慣れたマットやタオル
日ごろ使い慣れた愛犬用の敷物があると、その上で犬を待たせやすくなります。毛の飛び散りや汚れの付着予防にもなります。

よりよく利用するためのポイント

・フセの姿勢でのマッテを復習しておこう
犬をその場で長時間待たせることになるため、フセの姿勢でのマッテが必須となります。自宅で飼い主さんが食事しているときや、公園のベンチなど、いろいろなシーンで練習しておくといいですね。

カフェやレストランでのマナーは?

1 店に入る前に、周囲の迷惑にならない場所で排泄させる

店内でのそそうを避けるため、事前に排泄させておきましょう。どうしても心配なら、入店前にマナーベルトやマナーパンツをはかせてもいいでしょう。

2 犬は足元でフセをさせて足でリードを踏む

足元に敷いたマットの上でフセをさせたら、マッテを指示します。さらに足でリードを踏み、犬の行動を制限します。店によっては犬をひざの上で抱いていてもいい場合があるので、犬がより落ち着く方法で待たせましょう。

3 愛犬が静かに待っているときに、ほめてフードを与えて

愛犬をほめて、フセの体勢のまま食べられるよう、犬の目の前にフード1粒を置きます。1分間に5回を目安にほめてフードを与えれば、フセをキープさせやすいでしょう。

愛犬との宿泊旅行、持っていくものは?

初めてかぐニオイや初めて出会うものなど、犬と行く旅行は生活のマンネリ化を防ぎ、犬にいい刺激を与えることができます。いつもと違う場所でもあるので、旅行がかえってストレスにならないよう、マナーや準備を怠らないようにしたいですね。

愛犬がふだん使っている生活用品を持参しよう

旅行中の愛犬の寝床はクレートにし、食事も食べ慣れたフードにしたほうが、犬に余計なストレスや不安を与えずにすみます。持参したいものは以下の通りです。

□クレート・かけ布 □お散歩セット □トイレシーツ □フード、おやつ、フードボウル
□ワクチン接種証明書 □おもちゃ、自分だけで遊べるおもちゃ □お気に入りのタオル
□薬 □ブラシ など

犬との旅行がうまくいくコツや注意点は?

・初心者ならコテージタイプの宿がおすすめ。時間に余裕をもったプランを
もし愛犬が吠えても、コテージタイプの宿なら隣の部屋を気にしなくてすみます。また、旅行プランは時間に余裕をもたせるだけでなく、「雨の場合はどうするか」など、予備プランも考えておくと安心でしょう。

・施設のエントランスやロビーなどは抱っこかクレートに入れて
施設の入り口などにはマットやじゅうたんが敷いてあることが多く、犬にニオイをかがせるとそこでオシッコをしてしまう可能性が大。部屋に入るまでは、ニオイかぎをさせないようにしましょう。

・部屋の隅にトイレシーツをセットし、そこで排泄を
部屋の入口から離れた隅など、愛犬が落ち着いて排泄しやすい場所にトイレシーツを敷き、そこで排泄させます。滞在中はその場所をトイレとして固定し、場所を変えないようにしましょう。

まとめ

さまざまな場所に連れて行き、いっしょに楽しめるのが犬との暮らしの醍醐味でもありますよね。犬にとっても、初めて出会うものやコトはいい刺激になります。お出かけ時の最低限のマナーや注意事項、しつけのポイントなどを再確認して、犬とのお出かけを楽しんでください。
参考/『いぬのきもち』2017年1月号「はじめてしつけコンプリートドリルvol.11 車の乗せ方・お出かけ」(監修 しつけスクール「Can! Do! Pet Dog School」代表 西川文二先生)
監修/芝崎考次郎先生(相模大野プリモ動物病院副院長)
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